2016.02.14 | ニュース

幼児に発熱とけいれん、7%が急死した「エンテロウイルス71」の症状と経過

61人の治療例から
from JAMA neurology
幼児に発熱とけいれん、7%が急死した「エンテロウイルス71」の症状と経過の写真
(C) sabine hürdler - Fotolia.com

手足口病の原因としても知られるエンテロウイルス71は、まれに脳など中枢神経系の異常を起こし、命に関わります。オーストラリアで2013年に起こった流行の中で、計61人の幼児に神経症状が現れた例について、経過の情報が報告されました。

◆一度の流行で発症した61人

この報告は、オーストラリアのシドニーで2013年にエンテロウイルス71の感染が流行した際、同じ時期に治療された61人の子どもの情報をまとめたものです。エンテロウイルスによる神経の異常があると見られた子どもが対象になりました。

 

◆7%が急死、90%は1年で改善

61人の経過に次の特徴が見られました。

61人の患者のうち、4人(7%)が、受診時の蘇生処置にもかかわらず急死に至った。57人の生存した患者のうち、年齢の範囲は0.3歳から5.2歳(中央値1.5歳)であり、36人(63%)が男性だった。

61人のうち7%が急死しました。生存した57人の子どもの年齢は5歳以下でした。

発熱(100%、57人中57人)、ミオクローヌス様の四肢の動き(86%、57人中49人)、運動失調(54%、54人中29人)、嘔吐(54%、57人中29人)が、頻繁に見られる初発臨床症状だった。

最初に見つかった症状として、全員に発熱があったほか、手足が急に動く症状、運動失調、嘔吐が多く見られました

脳幹または運動機能の障害は、2か月時点で57人中44人(77%)、12か月時点で57人中51人(90%)で寛解した。

急死しなかったうち90%の子どもは12か月以内に主な脳の異常がなくなっていました。

初診時に急性弛緩性麻痺または肺水腫があった患者は、ほかの症候が初発だった患者に比べて、フォローアップで運動機能障害が見られる頻度が有意に大きかった(オッズ比15、95%信頼区間3-79、P<0.001)。

最初に診察を受けた時点で、ポリオのように筋肉の力が入らなくなる急性弛緩性麻痺の症状があった場合と、肺に水がたまって呼吸がしにくくなる肺水腫の状態にあった場合は、その後に運動機能障害が出る場合が多くなっていました。

 

エンテロウイルス71の特効薬はなく、こうした経過の情報を手掛かりに流行を把握し、素早く正確に診断することが重要です。さらに病態の解明が進むことも待ち望まれます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Clinical Characteristics and Functional Motor Outcomes of Enterovirus 71 Neurological Disease in Children.

JAMA Neurol. 2016 Jan 19. [Epub ahead of print]

[PMID: 26785318]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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