2016.03.28 | コラム

脳梗塞の治療法とは?外科的手術について解説

脳梗塞の治療法とは?外科的手術について解説の写真
(C) Monet - Fotolia.com

この記事のポイント

脳梗塞の治療では主に薬が使われますが、手術が行われる場合もあります。その目的は、脳梗塞の範囲が広く緊急を要するの対応や後遺症予防です。ここでは、脳梗塞の治療法の1つである手術について詳しく解説します。

◆脳梗塞の治療法、開頭減圧手術について

脳梗塞では治療として手術を行うことがあります。どのような場合なのでしょうか?

脳梗塞を起こすと脳梗塞を起こした周囲がむくみます。脳梗塞の範囲が広範になると、むくみの量も増えます。頭蓋骨の中には脳と脳脊髄液と呼ばれる液体が存在しており、容積は決まった量になっています。このむくみが増えると、脳の容積が増え頭蓋骨の中の圧力が高くなります。圧力が高くなると、脳全体が圧迫されて骨に押し当てられることから、脳ヘルニアという命に関わるような状態を起こしてしまいます。

この様な状態にならないよう、頭蓋骨を一時的に外し、脳の圧力を逃がす方法を開頭減圧手術といいます。適応は18-60歳、発症から48時間以内などと、ガイドラインによって定められており、脳画像検査などからわかる脳梗塞の大きさや場所なども踏まえて、最終的に医師によって手術が適応か判断され行われます。


脳梗塞の外科的治療(ステント手術、バイパス手術など)について

主にアテローム(脂肪の塊)硬化による血管の狭窄が高度な場合、外科的な治療を行う場合もあります。

 

◎頸動脈内膜剥離術

頸動脈と呼ばれる首から脳につながる動脈部分に狭窄がある場合、動脈を切りアテロームを取り除くという治療です。

 

◎頸動脈ステント留置術

ステントという金属を血管内に留置させることで狭くなった血管を広げる治療方法です。

 

◎バイパス手術 

バイパス手術とは、主要な血管に狭窄や閉塞が生じている場合、他の血管同士をつなげ、迂回経路を新たに作る手術です。

 

これらの治療法はリスクも伴うものであるため、患者さんの状態を見ながら医師の判断によって行われます。

 

◆脳梗塞の血管内治療、血の塊を取り除く方法とは?

◎血管内再開通療法

カテーテルと言われる細い管を、脳の血管内に入れ、血の塊を溶かす薬(ウロキナーゼ)を流す治療です。この治療は、発症から6時間以内に治療が開始できる場合のみに推奨されています。発症から4.5時間以内ではrt-PAという薬を使用する血栓溶解療法が有効であるという報告があるため、最近ではウロキナーゼによる治療は以前よりも少なくなっています。

 

その他、血管内治療としては、血の塊を吸引したりかき出したりすることで取り除くという治療法などがあります。これらは、少しずつ行われてきていますが、まだ完全には有効性が立証されていません。

 

脳梗塞の治療では、原因となっている血栓(血の塊)が出来にくくなる薬剤(抗血小板薬抗凝固薬)や、脳細胞がそれ以上ダメージを受けないための薬剤(脳保護薬)などを使うことが一般的です。そのため、手術を行うことは頻繁ではありません。しかし、脳梗塞の範囲が広い場合や血管の狭窄が強い場合は手術治療が行われる場合があります。開頭減圧手術は緊急時に選択されることが多いですが、血管を広げる外科的な手術はまだ有効性が完全には確立されていません。どの治療が適切なのかは状況に応じて判断されます。

 

執筆者

中嶋 侑

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


MEDLEYニュース新着記事