2016.03.21 | コラム

イボ(尋常性疣贅)の治療(凝固療法、レーザー治療、外用薬治療、内服治療)や予後、費用についての解説

イボ(尋常性疣贅)の治療(凝固療法、レーザー治療、外用薬治療、内服治療)や予後、費用についての解説の写真
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この記事のポイント

1.どんな治療方針が立てられるの?
2.凝固する治療法、削る治療法(冷凍凝固療法、電気凝固療法、レーザー治療)の解説
3.外用薬(塗り薬)による治療法の解説
4.内服薬(飲み薬)による治療法の解説

尋常性疣贅には、液体窒素による冷凍凝固療法、電気メスを使用した電気凝固療法、レーザー治療、外用薬の使用、内服治療などの治療法があります。それぞれの特徴、費用(保険適応の有無)、予防法などについて解説します。

◆どんな治療方針が立てられるの?

イボの治療として、イボに効くと言われている市販の薬品や、民間療法などが数多くありますが、ここでは医療機関で行われる治療に関して解説します。

イボの治療に関する、日本皮膚科学会の示すガイドライン(指標)はありません。医療機関では、発症した場所、臨床上の特徴、重症度などで治療方針を決定します。基本的な考え方としては、イボは自然になくなる可能性のある疾患なので、治療によって傷跡が醜く残る可能性のある治療は選択されるべきではないと言われています。

積極的な治療方法として、冷凍凝固療法、電気凝固療法、レーザー治療、グルタラール外用、フェノール外用などが挙げられます。また、内服治療が選択される場合もあります。これらは具体的にどの様な治療なのでしょうか?

 

◆凝固する治療法、削る治療法(冷凍凝固療法、電気凝固療法、レーザー治療)の解説

物理的にイボを取り除いたり削ったりする治療について以下に解説します。

【冷凍凝固療法(いぼ冷凍凝固法)】

液体窒素を用いてイボを凍らせて取る治療法で、いぼの治療で主に用いられている方法です。液体窒素の使用方法として、以下の様な方法があります。

  • 綿球法:綿球に液体窒素を含ませて患部に押し付け、凍らせる方法

  • スプレー法:専用の器具を用いて患部に液体窒素を吹き付ける方法

  • ピンセット法:液体窒素で冷却したピンセットでつまみ取る方法

この治療は保険適応があります。保険点数は、3箇所以下 210点4箇所以上 260点となっています。保険点数は、10円を1点として計算され、自己負担が3割の人はこの点数に3をかけた数字が自己負担額となります。

術後は痛みが数日続いたり、患部が水ぶくれの様な状態になる場合があります。患部はかさぶたになり、約一週間ほどでかさぶたが自然に剥がれ落ちます。一度で取れない場合は再度治療を繰り返して完治を目指します。

 

【電気凝固療法(いぼ焼灼法)】

電気メスなどの専用機器を用いて取る治療法で、多くの場合が局所麻酔をして行われます。麻酔が併用されていれば、痛みや出血はほとんどありません。他の治療法に比べ、比較的痕が残りやすいと言われています。

この治療にも保険が適用され、冷凍凝固療法と同じ点数計算になります。

 

【レーザー治療】

レーザーを照射してイボを削る方法で、近年ではメジャーな治療法となっています。レーザーの照射は痛みを伴うため、局所麻酔をしてから照射する場合もあります。治療後、皮膚が凹んだ状態になりますが、傷の面の皮膚が再生するように軟膏等の薬を塗って保護し、日焼け色素沈着を予防する事できれいに治りやすいと言われています。

保険は適用されず、施設によって値段設定が異なります。保険が適用される治療に比べて高価である場合が多く、事前にかかる費用を良く確認しておく必要があります。

 

◆外用薬(塗り薬)による治療法の解説

塗り薬を患部に塗り、薬の作用でイボを取り除いたり小さくしたりする治療について解説します。

【グルタラール外用】

グルタラールを患部に綿棒などで塗布し、患部の細胞を蛋白質変性させて細胞を破壊し、その部位が剥がれ落ちることでイボを取り除くことができる治療です。保険適応外の治療です。

【フェノール外用】

メスやハサミなどで、イボの表面の角質をできるだけ取り除いたあと、綿棒などを用いてフェノール(殺菌消毒剤)を塗り、イボの組織を腐食させます。保険適応外の治療です。

【活性型ビタミンD3軟膏外用】

皮膚の過剰な細胞増殖や炎症などを抑える作用があり、軟膏を塗布してラップやテープで保護して行う治療です。経過中、イボの周りが赤みや皮膚がはがれたりするなどの症状を伴う事が多いため、注意して観察する必要があります。保険適応外の治療です。

外用薬の治療は、すぐにイボが取れるわけでなく、経過に時間がかかる事があります。

 

◆内服薬による治療の解説

イボの治療に飲み薬が処方される場合もあります。

【ヨクイニンエキス】

ヨクイニンエキスとは、ハトムギの種子から抽出したエキスで、いぼの治りを良くしたり、肌をきれいにする働きのある漢方薬です。

【エトレチナート】

成人の重症例に対して処方されることのある薬です。皮膚や粘膜の異常に硬くなった部分を剥がしやすくし、正常な表皮や粘膜を再生させる働きがあります。

 

イボの治療には、イボを物理的に取る外科的治療、薬を塗って薬の作用で取り除いたり小さくする治療、薬を内服して体の内側から治していく治療に分けられます。この数ある治療を、イボのできた場所や重症度などに合わせて適切に選択する必要がありますが、医師の判断を仰ぐ事でより適切な治療が可能となります。自己判断せず、まずは医療機関を受診する事をお勧めします。治療法、費用、かかる期間などの説明を聞き、よく相談して納得した上で治療を選択しましょう。

執筆者

名原 史織

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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