2016.02.05 | コラム

高血圧症の原因、症状、治療の解説 運動や食事は高血圧に本当に効果があるの?

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この記事のポイント

1. 高血圧症とはそもそもどんな状態?「血圧が高い」とは?
2. 高血圧の原因とは?食事やストレスについて解説
3. 高血圧症の症状とは?
4. 高血圧症の治療とは?運動や食生活の改善、治療薬はどの程度効果があるか解説

高血圧症は、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす原因となる症状です。高血圧症になる原因や症状、治療法について詳しく解説します。当たり前に思っている運動や食生活といった生活習慣の改善で、本当に高血圧は改善するのでしょうか?

◆高血圧症はそもそもどんな状態?「血圧が高い」とは?

高血圧は、それ自体に自覚症状があることはあまりない一方で、放っておくと脳や心臓、腎臓などに悪影響を及ぼす症状です。脳卒中心筋梗塞腎不全などの病気の原因のひとつとして、高血圧が報告されています。健康診断やちょっとした機会に「血圧高いな・・・」と心配になる方も多いかもしれません。今回は、高血圧になる仕組みや原因となりうる生活習慣、症状、治療法について解説していきます。

まず、血圧の説明をします。血圧は、「心臓から出る血液の量(心拍出量)」と「血管の狭さや硬さを反映している血管の抵抗(血管抵抗)」によって決まるものです。例えば、心臓から出る血液量が一緒であれば、血管の抵抗が高いと血圧は高くなります。動脈硬化により血圧が高くなる理由には、このようなことがあります。心拍出量や血管抵抗は、正常であれば一定の範囲におさまるように調整されています。高血圧は、何かしらの理由でこのような調整機構に異常が見られ、血圧が高くなってしまった病態です。

では、いわゆる「高血圧」とはどの程度から言うのでしょうか。

医学では、最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以下である場合に「高血圧」と診断されます。日本高血圧学会が作成している高血圧治療ガイドライン2014では、以下のように定めています。

  • 至適血圧:120mmHg未満 かつ 80mmHg未満
  • 正常血圧:120-129mmHg かつ/または 80-84mmHg
  • 正常高値血圧:130-139mmHg かつ/または 85-89mmHg
  • I度高血圧:140-159mmHg かつ/または 90-99mmHg
  • II度高血圧:160-179mmHg かつ/または 100-109mmHg
  • III度高血圧:180以上mmHg かつ/または 110mmHg以上

ちなみに、最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以下である場合に「高血圧」とする、ということは、どのように決められたかご存知でしょうか?血圧と様々な病気の関係については、かなり昔から多くの研究が行われていて、それらの研究により、病気になる危険性などを踏まえた数値として、決められています。なお、「高血圧」と付く言葉に、二次性高血圧、本態性高血圧、早朝高血圧、白衣高血圧、仮面高血圧などがありますが、それらの説明は別の機会に譲ることにします。

 

◆高血圧の原因とは?食事やストレスについて解説

それでは次に、高血圧の原因となる生活習慣や環境について解説していきます。基本的には、上述したように、「心臓から出る血液の量(心拍出量)」と「血管の狭さや硬さを反映している血管の抵抗(血管抵抗)」に影響する要因が原因となりますが、それぞれ様々な要因が絡み合って現れる現象ですので、ここでは代表的なものを紹介します。

心拍出量は、神経系の異常、塩分過多、腎臓の異常などによって影響を受けることが知られています。例えば神経系の異常に関しては、ストレスや興奮状態によって、交感神経系が高まると、心臓から出る血液の量は多くなります。また、血管も縮むため、血圧が高くなります。塩分過多でも血液の量は増えるため、よく「血圧が高い方は塩分の取りすぎに注意しましょう」という話を耳にするわけです。

さらに、食生活や運動習慣、ストレスなどと高血圧の関係はいくつも研究が行われています。食生活については、塩分過多だけではなく例えば、コレステロールが多く含まれている食事、大量飲酒が高血圧と関連していると報告されています。また、肥満も高血圧と関連しており、そのため運動習慣がない人では高血圧になりやすいことも指摘されています。

 

◆高血圧症の症状とは?

ここまで高血圧が起こる仕組みとその原因について解説してきました。さらに詳しく「高血圧症」を理解するために、ここでは「高血圧の症状」を解説します。

前述したように、高血圧自体だけではほとんど症状がありません。そのため、サイレントキラーと言われることもあります。稀に、頭痛、めまい、耳鳴り、むくみが起きることがありますが、これらは、高血圧により脳や心臓に影響があるため起こると考えられています。

 

◆高血圧症の治療とは?運動や食生活の改善、治療薬はどの程度効果があるか解説

最後に、高血圧症の治療法についてです。高血圧症の治療は、大きく分けると薬治療、運動、食生活を代表とする生活習慣の改善に分けられます。治療で目標とする血圧値は、最高血圧140mmHg未満、最低血圧90mmHg未満が一般的です(この値は、持病の有無や種類、年齢によって異なります)。

高血圧症の治療薬には、様々なものがあります。例えば、カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬といったものです。これらの治療薬は、持病などによっても使い分けられるため、詳しくは医師に相談する必要があります。薬の詳しい解説に関しては、薬のページをご覧ください。

運動に関しては、様々な研究が行われていて、高血圧治療ガイドライン2014では「有酸素運動を中心に毎日30分以上の運動を目標」とされています。一方、高血圧症の患者さんでは筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)の血圧に対する効果はあまり見られないという報告もあり、まだ検証段階にあるようです。

食生活を含む生活習慣に関しては、以下の見直しが必要であると言われています。

  • 食塩の摂取量を1日あたり6g未満にする
  • 食事の内容は、野菜と果物を中心にし、魚を積極的に摂る。また、コレステロールや不飽和脂肪酸の摂取を控える
  • お酒の飲む量を控える(アルコール度数5%のビールであれば、1日500ml程度以下)
  • 禁煙する
  • BMI(体格指数)を25未満におさえる

 

高血圧症の仕組みから原因、症状、治療を解説しました。サイレントキラーと呼ばれ、気づいたときには脳卒中心筋梗塞などを発症する危険性を増す高血圧症。もし当てはまる方がいましたら、医師に相談し治療を行うことをお勧めします。

執筆者

MEDLEY編集部

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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