2016.02.02 | ニュース

唐辛子を食べると満腹するのは胃腸が荒れるからだった!?

オランダの健康な若者13人で実験
from The American journal of clinical nutrition
唐辛子を食べると満腹するのは胃腸が荒れるからだった!?の写真
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唐辛子の辛味成分カプサイシンは、満腹感をもたらしダイエット効果があると言われています。今回、カプサイシンは、食欲を抑える消化管ホルモンの分泌を促すのではなく、胃腸を荒らすことで満腹感をもたらすことが報告されました。

◆満腹感、胃腸症状、消化管ホルモンの関係は?

研究チームは、カプサイシン摂取による満腹感と、胃腸症状、消化管ホルモン(GLP-1とPYY)の血中濃度との関連を調べました。

消化管ホルモンは、食事を摂ると腸から分泌される、食欲を調整するホルモンです。消化管ホルモンのうち、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)とペプチドYY(PYY)は食欲を抑え、満腹感を高めるとされています。

健康で正常体重の若者13人を対象者とし、以下の2つのグループにランダムに分けました。

鼻から十二指腸まで入れたチューブで、

  • カプサイシン1.5mgを摂取するグループ
  • プラセボ(生理食塩水)を摂取するグループ

摂取後に、満腹感、胃腸症状、GLP-1とPYYの血中濃度を2つのグループ間で比較しました。

 

◆カプサイシンは消化管ホルモンの分泌に影響しない

以下の結果が得られました。

プラセボの十二指腸内投与と比べて、カプサイシンの十二指腸内投与は満腹感のスコア(治療効果:P<0.05)が有意に増加していたが、同時に、腹痛(治療と時間の相互作用:P<0.0005)、胸やけ(治療と時間の相互作用:P<0.0001)、吐き気(治療と時間の相互作用:P<0.05)腹部膨満感(治療と時間の相互作用:P<0.001)も有意に増加していた。

満腹感スコアはすべての消化器症状と正の相関関係を示した。

GLP-1とPYYの血中濃度および胆のうの容積については、2群間に差は見られなかった。

カプサイシンを食べると、消化管ホルモンの分泌を増やすのではなく、胃腸を荒らして腹痛や胸やけなどの症状のために満腹感がもたらされたという結果でした。

 

今回は、カプサイシンと消化管ホルモンの関連はないという結果でした。しかし、唐辛子のような安価な食品で食欲を抑えることができるなら、メカニズムはともかくとしても、患者さんには朗報になるでしょう。とはいえ、唐辛子を利かせた料理を食べるときは、胃腸の具合には気をつけたほうがいいようです。

執筆者

中岡 ひさ子

参考文献

Capsaicin-induced satiety is associated with gastrointestinal distress but not with the release of satiety hormones.

Am J Clin Nutr. 2015 Dec 30. [Epub ahead of print]

[PMID: 26718419]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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