2016.01.11 | ニュース

肉を食べない人にはどんな死因が多いのか

イギリスの研究2件の再解析より
from The American journal of clinical nutrition
肉を食べない人にはどんな死因が多いのかの写真
(C) UMB-O - Fotolia.com

野菜中心の食事をするベジタリアンは、生活習慣と関係するがんや心血管疾患の頻度に特徴があると言われています。今回、イギリスの研究で、食習慣によって死因になる病気にどんな違いがあるかが検討されました。

♦︎60,310人のイギリス在住者を調査

この研究では、過去にイギリスで行われた2件の長期追跡研究から、合計60,310人のデータを取り出し、食習慣と死因の関係について統合して解析を行いました。

食習慣は次のように分類しました。

  • 週5回以上肉を食べる
  • 週4回以下肉を食べる
  • 魚は食べるが肉は食べない
  • 魚も肉も食べないベジタリアン

 

♦︎週4回以下肉を食べる人の死亡率が低い

その結果、次のことが見られました。

週5回以上肉を食べる人に比べて、循環器疾患による死亡(魚を食べる人でハザード比1.22、95%信頼区間1.02-1.46)、悪性腫瘍による死亡(魚を食べる人でハザード比0.82、95%信頼区間0.70-0.97)、うち膵臓がんによる死亡(週4回以下肉を食べる人でハザード比0.55、95%信頼区間0.36-0.86、ベジタリアンでハザード比0.48、95%信頼区間0.28-0.82)、リンパ組織または造血系の悪性腫瘍による死亡(ベジタリアンでハザード比0.50、95%信頼区間0.32-0.79)、呼吸器系疾患による死亡(週4回以下肉を食べる人でハザード比0.70、95%信頼区間0.53-0.92)、全死亡(週4回以下肉を食べる人でハザード比0.74、95%信頼区間0.56-0.99)には有意な差があった。

週5回以上肉を食べる人に比べると、週4回以下肉を食べる人は全体として死亡率が26%低く、死因ごとに次の違いがありました。

  • 魚を食べるが肉を食べない人:心臓や血管の病気による死亡が多く、がんによる死亡が少ない
  • 週4回以下肉を食べる人:膵臓がんによる死亡、肺など呼吸器の病気による死亡が少ない
  • ベジタリアン:膵臓がん、血液のがんによる死亡が少ない

 

食習慣によって将来気を付けるべき病気は違ってくるのかもしれません。

ただし今回の研究は、食事にのみ焦点を当てて研究を行いましたが、食習慣によってほかの生活習慣にも違いがあり、病気の頻度に影響していた可能性も考えられます。さまざまな角度からの情報をあわせて考えることも大切です。

執筆者

宮本 知明

参考文献

Mortality in vegetarians and comparable nonvegetarians in the United Kingdom.

Am J Clin Nutr. 2015 Dec 9. [Epub ahead of print]

[PMID: 26657045]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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