2016.01.10 | ニュース
脳卒中後のストレス対処能力を高めるには?
166人の介入効果を検証
from Stroke; a journal of cerebral circulation

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脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)後は、心身に受けた後遺症により、生活をおくる上で様々な問題に直面します。研究グループは、脳卒中患者への問題解決療法によって、ストレスを適切に対処する能力に影響があるかを調べました。
◆問題解決療法の効果を検証
研究グループは、外来に通う脳卒中後の患者166人を対象とし、問題解決療法の訓練効果を調べました。
対象者を、通常のリハビリテーションに加えて問題解決療法を行うグループと通常のリハビリテーションのみを行うグループにわけ、半年後の訓練効果を調べました。
問題解決療法では、患者が日常生活をおくる際に直面する問題について、自分に合った解決・対処の方法を身につける訓練を行い、訓練効果は、ストレスのある状況で自分がどのような行動を取りやすいかについて回答する質問紙を用いました。
◆脳卒中後患者のストレス対処能力が改善
研究の結果、以下が示されました。
6ヵ月の介入後、PSTグループは、対照グループと比較して課題指向型コーピングで
有意 に改善した(P=0.008)[…]
この結果は、問題解決療法によって半年後のストレスを適切に対処する能力が向上したことを示しています。
脳卒中後の後遺症と共に生活をおくるためには、身体機能のみならず、日々の問題に対処する能力も必要です。患者が社会生活を営むために、更なる研究が望まれます。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。