砂糖を人工甘味料に変えて脳に起きたこと
脳梗塞が起きると、回復するためには脳の血管が修復されなければいけません。今回の研究では、砂糖の代わりに代替物質(糖アルコール、人工甘味料など)を摂ると、脳梗塞のダメージを大きくする可能性を報告しました。
◆砂糖を人工甘味料に変えると脳にどのような影響があるか?
今回の研究では、マウスを使った実験により、糖類を与えたときに比べて、糖アルコールや人工甘味料といった「砂糖の代わりになる代替物質」を与えると、人工的に脳の血管を詰まらせて脳梗塞を起こしたときの
◆脳には砂糖が必要!?
以下の結果が得られました。
対照群と比べて、フルクトース、エリスリトール(糖アルコール)、アセスルファムカリウム(人工甘味料)、レバウジオシドA(希少糖)で長期間の飼育を受けたマウスでは、脳の
虚血 障害(梗塞の大きさと神経行動学的アウトカム)は有意 に悪化し、虚血脳の血管新生は減少し、内皮前駆細胞の機能は障害を受けた。
砂糖を代替物質に変えることで、脳梗塞後のダメージを大きく、血管修復の働きを弱くするという結果でした。
筆者らは、「長期間の代替物質は、マウスの虚血性脳障害を悪化させた。その原因は部分的には、内皮前駆細胞の障害と虚血脳の血管新生の減少かもしれない」と結論づけています。
砂糖を人工甘味料に変えると、体重増加を抑えられるという研究を以前に紹介しました。今回の研究はマウスを使った実験であるため、人間にそのまま当てはめられるかはわかりませんので、今後さらなる検証が望まれます。
執筆者
Dietary intake of sugar substitutes aggravates cerebral ischemic injury and impairs endothelial progenitor cellsin mice.
Stroke. 2015 Jun
[PMID: 25908458]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。