糖尿病で足を切断した人はなぜ再入院するか?

糖尿病が進行すると、手足の先から壊死していくことがあり、場合によっては手足を切断しなければなりません。今回の研究では、糖尿病が原因で切断手術を行った人が再入院する理由とその特徴を調査しました。
◆糖尿病で足を切断した人が再入院する理由は?
今回の研究では、糖尿病が原因で下肢を切断した患者439人を対象に、再入院とその理由について調査しました。
◆退院時に
再入院した46人について、以下の結果が得られました。
再入院の主な理由は、再手術が必要な大手術を受けた(37.0%)、内科疾患イベントが続いて起こった(28.3%)、小さい外科的イベント(28.3%)であった。
多変量解析では、壊疽の診断( オッズ比2.95、95%信頼区間1.37-6.35)、退院時に抗生物質を飲んでいる(オッズ比4.48、95%信頼区間1.71-11.74)、喫煙(オッズ比3.22、95%信頼区間1.40-7.36)、慢性腎臓病(オッズ比2.82、95%信頼区間1.30-6.15)、末梢血管障害(オッズ比2.47、95%信頼区間1.08-5.67)が再入院と独立して関連していた。
糖尿病による切断手術を受けた人の再入院には、壊疽があること、退院時に抗生物質を飲んでいること、喫煙者、慢性腎臓病、末梢血管障害を持っていることが関連していました。
今回の研究では、糖尿病により切断手術を受けた人の約10人に1人が再入院をしていました。糖尿病は自分の手足を失くすかもしれない怖い病気ですので、予防に努めることが大事です。特に喫煙や腎臓の病気は、糖尿病が重症になったときに問題になるかもしれません。
執筆者
Incidence, Risk Factors, and Causes for Thirty-Day Unplanned Readmissions Following Primary Lower-Extremity Amputation in Patients with Diabetes.
J Bone Joint Surg Am. 2015 Nov 4
[PMID: 26537165]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。