◆睡眠時間の測り方を6通りで検証
今回の研究では、727人を対象に以下に示す6通りの方法で睡眠時間を測り、その結果と「全体として、あなたの健康状態はきわめて良い、かなり良い、良い、悪くない、悪い、のどれに当てはまると思いますか?」という質問の回答との関連性を検証しました。
- 睡眠時間を聴取
- 就寝時間と起床時間の聴取から睡眠時間を計算
- 睡眠記録から特定
- アクチグラフ(体の小さな動きを測定できる装置)で特定した、睡眠が始まってから朝の目覚めまでの時間
- アクチグラフで特定した睡眠の始まりから朝の目覚めまでの時間のうち、途中で目が覚めている時間を除いた時間
- アクチグラフで特定した、途中で目が覚めている時間 健康は、自身がどの程度健康であると思うか、
という質問に答えました。
◆アクチグラフで特定した就寝から起床までの時間以外は、いずれの測り方も睡眠時間が6時間以下で健康ではない
調査の結果、アクチグラフで特定した就寝から起床までの時間以外は、すべての測定方法で、睡眠時間が7時間以上8時間以下の群と比べて、6時間以下の群で、自身が健康であるとは考えていない傾向がありました。
特に、睡眠時間を聴取した場合では、睡眠時間が7時間以上8時間以下の群と比べて、9時間以上であると、自身が健康と考えていない確率が高いという結果でした。
睡眠時間の測定方法によって、健康との関連性について結果の数字が変わるという研究結果でした。睡眠と健康の関係を調べた研究では、睡眠時間をどのように測ったかも結果に影響するのかもしれません。
一方、いずれにしても、睡眠不足と自分自身が健康でないと考えることが関連しているという結果は共通していたため、適度な睡眠時間が必要であることは言えるのかもしれません。
執筆者
Sleep duration and health among older adults: associations vary by how sleep is measured.
J Epidemiol Community Health. 2015 Nov 3
[PMID: 26530811]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。