2015.11.28 | ニュース

日本人のうつ病にベンラファキシン

538人のデータを解析
from International clinical psychopharmacology
日本人のうつ病にベンラファキシン の写真
(C) Syda Productions - Fotolia.com

うつ病の治療に抗うつ薬が使われますが、効き方は薬の種類によって違います。今回の研究では、これまで日本では未承認だったベンラファキシン(商品名:イフェクサー)の有効性を日本人を対象に検証しました。

◆ベンラファキシン(商品名:イフェクサー)の有効性を検証

ベンラファキシン(商品名:イフェクサー)は、抗うつ薬の一種であるセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のひとつです。日本で現在使われているSNRIは、ミルナシプラン(商品名:トレドミン)やデュロキセチン(商品名:サインバルタ)がありますが、海外ではベンラファキシンも治療薬のひとつとして選択されることがあります。

今回の研究では、うつ病の外来患者538人を、ベンラファキシンを1日75mg飲む群、状態に合わせて1日75-225mgを飲む群、偽薬群に分けました。

 

◆1日75mgのベンラファキシンでうつ症状が改善

以下の結果が得られました。

[...]、偽薬群(-9.25)と比較して、用量を決めた群では主要な効果変数で有意差が認められたが(-10.76、p=0.031)、用量を状態に合わせて変えた群では差は見られなかった(-10.37、p=0.106)。

治療期間中の治療に関連した副作用は偽薬群の38.8%に対して、用量を決めた群では51.7%、用量を状態に合わせて変えた群では67.8%であった。

ベンラファキシンを75mg飲んだ群で、よりうつ症状が改善しました。副作用は、偽薬群よりも多いという結果でした。

 

日本でも、2015年9月にベンラファキシンが承認されました。新薬が加わったことで、うつ病の治療の幅が広がるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

A randomized, double-blinded, placebo-controlled study to evaluate the efficacy and safety of venlafaxine extended release and a long-term extension study for patients with major depressive disorder in Japan.

Int Clin Psychopharmacol. 2015 Oct 28

[PMID: 26513202]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。