日本人のうつ病にベンラファキシン
うつ病の治療に抗うつ薬が使われますが、効き方は薬の種類によって違います。今回の研究では、これまで日本では未承認だったベンラファキシン(商品名:イフェクサー)の有効性を日本人を対象に検証しました。
◆ベンラファキシン(商品名:イフェクサー)の有効性を検証
ベンラファキシン(商品名:イフェクサー)は、抗うつ薬の一種である
今回の研究では、うつ病の外来患者538人を、ベンラファキシンを1日75mg飲む群、状態に合わせて1日75-225mgを飲む群、偽薬群に分けました。
◆1日75mgのベンラファキシンでうつ症状が改善
以下の結果が得られました。
[...]、偽薬群(-9.25)と比較して、用量を決めた群では主要な効果変数で
有意 差が認められたが(-10.76、p=0.031)、用量を状態に合わせて変えた群では差は見られなかった(-10.37、p=0.106)。治療期間中の治療に関連した副作用は偽薬群の38.8%に対して、用量を決めた群では51.7%、用量を状態に合わせて変えた群では67.8%であった。
ベンラファキシンを75mg飲んだ群で、よりうつ症状が改善しました。副作用は、偽薬群よりも多いという結果でした。
日本でも、2015年9月にベンラファキシンが承認されました。新薬が加わったことで、うつ病の治療の幅が広がるかもしれません。
執筆者
A randomized, double-blinded, placebo-controlled study to evaluate the efficacy and safety of venlafaxine extended release and a long-term extension study for patients with major depressive disorder in Japan.
Int Clin Psychopharmacol. 2015 Oct 28
[PMID: 26513202]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。