2015.11.12 | ニュース

脳卒中後に麻痺側の手を積極的に使うと、どんな良いことがあるか?

メタアナリシスにより検証

from The Cochrane database of systematic reviews

脳卒中後に麻痺側の手を積極的に使うと、どんな良いことがあるか? の写真

脳卒中の発症後、麻痺している手を積極的に使うために、麻痺していない手の使用を制限するリハビリ方法(CI療法)があります。今回の研究では、過去に報告された研究をまとめ、CI療法の効果を検証しました。

◆CI療法と従来のリハビリを比較

CI療法は、主に脳卒中患者の上肢を対象として行われるリハビリ手法のひとつです。麻痺していない良い方の手を強制的に使用させないようにし、麻痺している手を日常生活やリハビリ場面で積極的に使用することで、麻痺している手の改善と患者さん自身が「手を使おう」と意識することを狙う方法です。

今回の研究では、過去に報告された42の研究をまとめ、脳卒中患者1,453人を対象に、CI療法が従来の方法と比較して、どのような効果があるか検証しました。

 

◆CI療法は上肢機能をより改善させる

以下の結果が得られました。

もっとも多く報告されたアウトカムでは、CI療法を行うと、上肢の運動機能(858人の対象者を含む28の研究)が、標準化平均差0.34(95%信頼区間0.12-0.55、p=0.004)で有意な効果を示した。

CI療法を行うことで、麻痺している上肢の機能がより改善するという結果でした。さらに、CI療法により、日常生活における手の動きの上手さも改善しました。

 

近年、脳卒中後に麻痺した手を回復させるための様々なリハビリ手法が報告されています。そのなかでも、CI療法は多くの研究により検証されている手法です。患者さんによっては、CI療法の対象外になる可能性もありますが、相談してみる価値はあるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Constraint-induced movement therapy for upper extremities in people with stroke.

Cochrane Database Syst Rev. 2015 Oct 8

[PMID: 26446577]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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