2015.11.10 | ニュース

胆石が詰まって急性膵炎に、胆のうはすぐ取ったほうが良い?

オランダ266人のランダム化試験
from Lancet (London, England)
胆石が詰まって急性膵炎に、胆のうはすぐ取ったほうが良い?の写真
(C) nerthuz - Fotolia.com

胆のう結石が胆汁の通り道を塞いでしまうことで、急性膵炎が起こることがあります。治療後の再発防止として胆のうを取り除く手術がありますが、手術の時期はいつが最適なのでしょうか。オランダで手術時期による違いを比べる研究が行われました。

◆3日以内か、25-30日後か

胆のう結石は胆のうの中にできるため、胆のうを取り除くことで再発防止ができます。早く手術したほうが再発の危険性が少なくなるかもしれませんが、急性膵炎が起こった直後の手術が十分安全と言えるかどうかは確かめられていません。

研究班は、研究に参加したオランダの病院で、胆石による膵炎で入院し回復した軽症の患者266人を対象として、退院しないで3日以内に手術をするグループと、一度退院して25日から30日後に手術をするグループにランダムに分け、経過を比較しました。

評価のため、6か月以内に膵炎や胆管炎など、胆のう結石と関係する病気により再入院になったり死亡した人の数を集計しました。また、手術後に起こった問題についても調べました。

 

◆安全性に差はなく、再発予防効果あり

次の結果が得られました。

一次エンドポイントの帰結は、待機グループ136人のうち23人(17%)に起こり、同期間手術のグループ128人のうち6人(5%)に起こった(リスク比0.28、95%信頼区間0.12-0.66、P=0.002)。安全性エンドポイントの帰結は4人の患者に起こった。どちらのグループでもそれぞれ胆汁漏が1人、手術後出血が1人に起こった。4件とも深刻な有害事象であり、治療関連であると判断されたが、死亡に至ったものはなかった。

再入院や死亡の割合は、3日以内に手術するグループでは5%でしたが、25日から30日後に手術するグループでは17%でした。どちらのグループでも2人ずつ、手術が原因とみられる深刻な問題が起こりましたが、そのために死亡に至った人はいませんでした。

 

早い時期に手術をすることの再発予防効果と安全性について結果が得られました。実際に手術をするべきかどうか、またその時期については個々の場合で違う要素もあります。さらに、この研究では対象とされていないより重症の場合に当てはまるかは確かではありません。しかし、実際の結果が示されたことで、治療方針を立てる参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Same-admission versus interval cholecystectomy for mild gallstone pancreatitis (PONCHO): a multicentre randomised controlled trial.

Lancet. 2015 Sep 26

[PMID: 26460661]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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