◆手先の器用さと脳の容量の関連性を検証
今回の研究では、45歳以上の比較的健康な高齢者1,912人を対象に、手先の器用さと脳の容量の関連性を検証しました。
手先の器用さは、アルキメデスのらせんテストという、らせん状に描かれた線の上をなぞり、線からどれだけ脱線したか測るテストを用いました。
◆手先が器用な人は脳の容量が大きいかもしれない
以下の結果が得られました。
大脳の容量が大きいほど、白質病変の容量が小さいほど、螺旋描写課題がより良いことと関連していた一方、小脳の容量は螺旋描写課題と関連していませんでした。
手先がより器用な人は、脳の中でも大脳皮質(大脳の表面)の容量がより大きく、白質(大脳の内側)の病的な部分が少ないという結果でした。器用な動作に関係すると言われる小脳の容量は、テストの結果と関連が見られませんでした。
手先の器用さは、加齢とともに小さくなりやすい脳の容量と関係しているのかもしれません。
執筆者
Older age relates to worsening of fine motor skills: a population-based study of middle-aged and elderly persons.
Front Aging Neurosci. 2014 Sep 25
[PMID: 25309436]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。