2015.10.30 | ニュース

感染しているのは細菌かウイルスか、CRPで見分けられるのか?

179人の検査結果から
from Journal of medical virology
感染しているのは細菌かウイルスか、CRPで見分けられるのか?の写真
(C) Alexander Raths - Fotolia.com

血液検査で測定されるCRPの量は、全身の炎症反応を反映し、感染症があるときに多くなります。また、病原体が細菌のときとウイルスのときで違うという考えもあります。実際の患者で測った値が比較されました。

◆細菌感染とウイルス感染でCRPを比較

感染症があるとき、病原体によってCRP高値が見られやすいものと見られにくいものがあると言われ、大まかにウイルスよりも細菌にCRP高値を示すものが多いと言われることがあります。

この研究では、全身または呼吸器の感染症を起こした人139人を、健康な40人と比較することで、感染した病原体によってCRPに違いがあるかを調べました。

比較的見分けやすい肺炎球菌などの細菌に感染した場合は対象とせず、細菌感染症としてレジオネラ菌、マイコプラズマ、コクシエラ・バーネッティの感染があった人、またウイルス感染症としてデングウイルス、サイトメガロウイルス、EBウイルス、パルボウイルスB19単純ヘルペスウイルス1型または2型、インフルエンザウイルスA型またはB型の感染があった人を対象としました。

 

◆細菌とウイルスで差がない

次の結果が得られました。

対照群と比べて、感染がある患者ではCRP高値が見られた(P<0.001)。しかし、ウイルス感染と非定型細菌感染の間で有意な差は見られなかった。

感染がない人とある人を比べると、感染がある人のほうがCRPが高くなっていましたが、細菌感染があった人とウイルス感染があった人とではCRPに違いが見られませんでした

研究班は「この研究は、CRPの値が正常値と比べてウイルス感染および非定型細菌感染を診断するために有用だが、感染の種類を診断するには有用でないことを示唆する」と結論しています。

 

CRPは非常によく使われる検査ですが、限界もあります。症状や身体診察など多くの面からの情報とあわせて診断することが重要といえるのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Serum level of C-reactive protein is not a parameter to determine the difference between viral and atypical bacterial infections.

J Med Virol. 2015 Aug 4 [Epub ahead of print]

[PMID: 26241406]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。