過体重の人が有酸素運動と筋力トレーニングをするとインスリン感受性が向上する

肥満の原因は様々ですが、インスリンと呼ばれる血糖値を下げるために働くホルモンの感受性が低下することが原因の一つと考えられています。今回、過体重者が運動を行うことによるインスリン感受性(IS)への影響を調べる研究が行われました。
◆過体重者に対する介入研究により検証
研究グループは、運動による
10人の健常者と9人の過体重者を対象とし、運動介入前の血液値を測定しました。その後、9人の過体重者に対し、6ヵ月間にわたる有酸素運動と筋力トレーニングを行い、健常者と介入前後におけるインスリン感受性(IS)を比較しました。
◆運動はインスリン感受性を増加させる?
研究は、以下の結果を示しています。
インスリン感受性は、訓練を受ける前の過体重者で対照群よりも高く、運動後に統計学的に
有意 な増加がみられた。インスリン感受性は、トレーニング後の過体重者においてコントロールよりも体格に対して低かったが、除脂肪体重で正規化すると違いはみられなかった。
この結果は、過体重者に対し6ヵ月間の有酸素運動と筋力トレーニングを行ったところ、インスリン感受性が増加したことを示しています。
メカニズムは明らかとなっていませんが、運動により身体のなかの
執筆者
Impact of combined resistance and aerobic exercise training on branched-chain amino acid turnover, glycine metabolism and insulin sensitivity in overweight humans.
Diabetologia. 2015 Oct
[PMID: 26254576]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。