体重を減らして免疫力が回復?NK細胞の機能に見られた変化とは

ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、免疫の働きをする細胞の一種で、がん細胞を破壊する作用があると言われています。NK細胞の働きが肥満によって弱くなるという知見をもとに、肥満のある人が体重を減らしたときのNK細胞の変化が研究されました。
◆減量でNK細胞に変化があるか
研究班は、肥満がある人に3か月の運動と栄養管理で減量してもらい、減量しなかった人と比べて
◆インターフェロンγが増加
次の結果が得られました。
男性の参加者で、体脂肪量の
有意 な減少と(P<0.05)、身体の健康状態の向上が見られた(P<0.05)。介入終了後3か月の時点で血漿レプチン値は有意に減少し(P<0.05)、CD56dim NK細胞の細胞内でインターフェロン γの発現量が有意に増加した(P<0.001)。
男性の参加者について、減量プログラムの終了後3か月の時点で、NK細胞の一部に、
研究班はこの結果から、「この研究は、肥満のある人の体脂肪量減少後に、NK細胞の
この研究は細胞の中の変化に注目したもので、ここで見られた変化が、全体としての免疫の働きにどう影響するか、特に
がんと免疫の関係について、さまざまな説がありますが不明な点も多く、こうした研究から多くの知見が集まることにより、実際の治療に結びつく発見につながるかもしれません。
執筆者
Decreased NK cell functions in obesity can be reactivated by fat mass reduction.
Obesity (Silver Spring). 2015 Sep 22 [Epub ahead of print]
[PMID: 26390898]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。