2015.10.24 | ニュース

体重を減らして免疫力が回復?NK細胞の機能に見られた変化とは

肥満男性の減量プログラムの結果
from Obesity (Silver Spring, Md.)
体重を減らして免疫力が回復?NK細胞の機能に見られた変化とはの写真
(C) Alex_Po - Fotolia.com

ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、免疫の働きをする細胞の一種で、がん細胞を破壊する作用があると言われています。NK細胞の働きが肥満によって弱くなるという知見をもとに、肥満のある人が体重を減らしたときのNK細胞の変化が研究されました。

◆減量でNK細胞に変化があるか

研究班は、肥満がある人に3か月の運動と栄養管理で減量してもらい、減量しなかった人と比べてNK細胞の活動に変化があるかを調べました。

 

◆インターフェロンγが増加

次の結果が得られました。

男性の参加者で、体脂肪量の有意な減少と(P<0.05)、身体の健康状態の向上が見られた(P<0.05)。介入終了後3か月の時点で血漿レプチン値は有意に減少し(P<0.05)、CD56dim NK細胞の細胞内でインターフェロンγの発現量が有意に増加した(P<0.001)。

男性の参加者について、減量プログラムの終了後3か月の時点で、NK細胞の一部に、免疫反応を増強する働きがあるインターフェロンγの量が増える変化が見られました。

研究班はこの結果から、「この研究は、肥満のある人の体脂肪量減少後に、NK細胞の機能性の再活性化が見られたことを示す」と結論しています。

 

この研究は細胞の中の変化に注目したもので、ここで見られた変化が、全体としての免疫の働きにどう影響するか、特にがんの予防や治療にどう関係するかはわかりません。

がんと免疫の関係について、さまざまな説がありますが不明な点も多く、こうした研究から多くの知見が集まることにより、実際の治療に結びつく発見につながるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Decreased NK cell functions in obesity can be reactivated by fat mass reduction.

Obesity (Silver Spring). 2015 Sep 22 [Epub ahead of print]

[PMID: 26390898]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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