2015.10.20 | ニュース

冠動脈疾患になりやすい食事はなに?

アメリカの成人17,418人の観察研究
from Circulation
冠動脈疾患になりやすい食事はなに?の写真
(C) fotek - Fotolia.com

生活習慣が原因で、動脈硬化によって起こる冠動脈疾患は増加すると考えられています。食事の違いによる冠動脈疾患のリスクについてアメリカの研究チームなどが調査を行った論文を紹介します。

◆冠動脈疾患とは?

心臓に血液を送り込む冠動脈の内側が動脈硬化により狭くなることで、冠動脈が塞がれてしまう疾患です。心筋梗塞による死亡を引き起こす可能性もあります。
 

◆アメリカの成人17,418人を調査

研究チームは、アメリカの45歳以上の成人17,418人を調査対象とし、およそ6年間追跡して急性冠動脈疾患が起こるかを調べることで、どのような食事のときに急性冠動脈疾患になる可能性が高くなるのかを統計学的に調査しました。

調査対象者の食事を分析した結果、以下に示した5つの特徴的な食事パターンが導かれました。

  • コンビニ食
  • 植物由来の食事
  • スイーツ
  • サザンフード(アメリカ南部のソウルフードであり、脂肪、揚げ物、卵、加工肉、甘い飲み物などが特徴です)
  • アルコールとサラダ

 

◆サザンフードは冠動脈疾患を起こしやすかった

調査の結果、以下のことが分かりました。

サザンフード[...]の消費量が最も多い集団は、急性冠動脈疾患の危険性を56%高めた(四分位群1と四分位群4の比較:ハザード比:1.56、95%信頼区間:1.17-2.08、四分位群におけるPtrend=0.003)。

つまり、サザンフードを多く食べる人は冠動脈疾患になるリスクを高める可能性が示されました。

 

研究チームは「アメリカ南部の特徴的な食事パターンは、アメリカの様々な地域の白人および黒人の成人のサンプル集団において、より高い冠動脈疾患の危険性と関連していた。」と述べています。今では日本の食生活も欧米化が進んでいます。サザンフードのような食事は、健康的な食事を目指すときには注意したほうがよいのかもしれません。

執筆者

鈴木あいか

参考文献

Southern Dietary Pattern Is Associated With Hazard of Acute Coronary Heart Disease in the Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke (REGARDS) Study.

Circulation. 2015 Sep 1

[PMID: 26260732]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。