2015.10.12 | ニュース

鳥インフルエンザに感染した人は何をしていた?

中国のH5N1インフルエンザの感染データを分析

from The Journal of infectious diseases

鳥インフルエンザに感染した人は何をしていた? の写真

鳥インフルエンザH5N1型は、人に感染することは稀ですが、中国では感染が報告されています。今回は、2008年までに中国でインフルエンザH5N1型に感染した人の特徴を分析した2009年の論文を紹介します。

◆鳥インフルエンザに感染した人の特徴を検証

今回の研究は、2008年までにインフルエンザH5N1型に感染した患者28人と、その患者と年齢や性別などを合致させた対照群を比較し、感染に関連する要因を検証しました。

 

◆病気か死亡している家禽に触れると感染しやすい

以下の結果が得られました。

多変量解析により、インフルエンザH5N1型感染の独立した危険因子は、病んでいるまたは死んだ家禽に直接触れること(オッズ比506.6、95%信頼区間15.7-16319.6、p<.001)、病んでいるまたは死んだ家禽に直接ではないが曝露されること(オッズ比56.9、95%信頼区間4.3-745.6、p=.002)、家禽の生鮮市場に行くこと(オッズ比15.4、95%信頼区間3.0-80.2、p=.001)であった。

インフルエンザH5N1型の感染には、病気や死んだ家禽に触れることが大きく関連していました

 

鳥インフルエンザに人間が感染することは非常に稀ですが、大量のウイルスに接触すると感染する可能性があります。日本では感染者の報告はまだありませんが、このような情報を知っておくことは予防の役に立つかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Risk factors for human illness with avian influenza A (H5N1) virus infection in China.

J Infect Dis. 2009 Jun 15

[PMID: 19416076]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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