2015.10.07 | ニュース
熱帯地方では一年中インフルエンザが流行する
38か国のデータを分析
from The Journal of infectious diseases

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私たちが毎年冬に悩まされるインフルエンザは、国や地域によって違った特徴を持っています。今回研究チームは、インフルエンザについて網羅的に分析するために、今まであまり研究されていなかった熱帯地方におけるインフルエンザの流行について調査しました。
◆過去のインフルエンザに関するデータを分析
研究チームは、85か国の施設で得られたインフルエンザ感染に関するデータをもとに、各国の1年間におけるインフルエンザの患者数と1週間におけるインフルエンザの患者数をそれぞれ調査しました。
◆熱帯地方では一年中インフルエンザが流行していた
データの分析の結果、以下のことが示されました。
利用可能なデータから、一年を通じた活動(すなわち、
インフルエンザウイルス が各週10検体 以上同定されること)は、43の温帯地方のうち3か国(7%)、6の亜熱帯のうち1か国(17%)、30の熱帯のうち11か国(37%)で起こった(P=0.006)。
つまり熱帯地方では、年間を通してインフルエンザが流行することが30か国中11か国で見られ、温帯・亜熱帯地域よりも多いことが分かりました。
旅行などで熱帯地方のような暖かい気候の国に訪れるときにも、衛生管理など最低限の予防は必要かもしれません。
執筆者
参考文献
Seasonality, timing, and climate drivers of influenza activity worldwide.
J. Infect. Dis., 2012, Sep. 15.
[PMID: 22829641]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。