2015.10.06 | ニュース
うつ病の治療効果は性格によって変わる
オランダの研究チームが146人を分析
from The Journal of clinical psychiatry
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性格によって、うつ病のなりやすさは異なることが言われています。今回の研究では、うつ病の治療効果が性格によってどのような影響を受けるか検証しました。
◆治療効果を性格別に検証
今回の研究は、大うつ病の治療として、通常ケアのみ行った群と、通常のケアに加えて個別に治療を行った群(特別な治療を行った群)の2群で効果を比較した過去の研究データをもとに、さらに検証を進めたものです。
2群の効果に対し、性格が影響するか検証しました。
◆神経症傾向と外向性が普通で、調和性と誠実性が高いと回復が早い
性格は、神経症傾向が高く、外向性と誠実性が低い群(傷つきやすい群)と、神経症傾向と外向性が普通で調和性と誠実性が高い群(回復力がある群)に分類されました。
治療効果に関して、以下の結果が得られました。
回復は、レジリエント群でより早かった(群と時間の交互作用:p<.001)。
重要なことに、特別な治療法では、脆弱性群においてのみ有効であり、主な治療法よりもより早い回復と関連していた(群、時間、治療の交互作用:p<.001)。
傷つきやすい群よりも回復力がある群の方が、より改善が早く、傷つきやすい群の中では特別な治療を行った群の方が改善が早かったという結果でした。
うつ病への治療法は様々なものがありますが、より効果を期待するためには性格によってその方法を変える必要があるかもしれません。
執筆者
参考文献
Personality modulates the efficacy of treatment in patients with major depressive disorder.
J Clin Psychiatry. 2014 Sep
[PMID: 25295434]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。