アミノ酸を多く摂取している人は動脈硬化が少ない

動脈硬化によって大動脈解離や脳出血のリスクが高くなることが知られています。今回の研究は、アミノ酸の摂取量と動脈硬化の程度に関連があるか、双子を比較することで検証しました。
◆7種類のアミノ酸摂取量と動脈硬化に関連があるか検証
今回の研究はイギリスの双子データを用いて、1,898名の双子女性を対象に
アミノ酸摂取量は、動脈硬化との関係が予想された7種類のアミノ酸(アルギニン、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、チロシン)について、食生活記録から計算しました。
動脈硬化は、血圧のほか、脈波速度などの検査によって測定しました。
◆アミノ酸の摂取量と動脈硬化には関連があるかもしれない
以下の結果が得られました。
多変量解析により、全たんぱく質と7つの潜在的な心臓防御に関わるアミノ酸の摂取量がより多いことと、中心
収縮期血圧 、平均血圧、脈波速度が低いことに関連が見られた。
アミノ酸の摂取量が多いほど、動脈硬化の程度が軽いという結果でした。
筆者らは、「これらのデータは健常女性において、いくつかのアミノ酸の摂取が、血圧の減少にとどまらない心血管系の利益と関連していることを示す根拠を提供する。」と述べています。
血管年齢を測定する場面も見られるようになり、動脈硬化も含めて、体調管理が重要視されるようになりました。食事習慣でその改善が図れるのであるとしたら、有用であるかもしれません。
一方で、もちろんアミノ酸も多く摂るほどよいというものではなく、摂り過ぎにより害となる可能性も否めません。特に病気で治療中の人はタンパク質やアミノ酸の摂取制限が必要な場合もありますので、どんな食事がよいか医師に相談することをおすすめします。
執筆者
Amino Acid Intake Is Inversely Associated with Arterial Stiffness and Central Blood Pressure in Women.
J Nutr. 2015 Jul 22
[PMID: 26203100]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。