2015.09.03 | ニュース

痔の治療に有効、ゴム輪結紮療法と手術・硬化療法の比較

メタアナリシスにより分析
from Diseases of the colon and rectum
痔の治療に有効、ゴム輪結紮療法と手術・硬化療法の比較 の写真
(C) Christian Stoll - Fotolia.com

内痔核は、肛門の内部の血管が一部うっ血し、こぶのように腫れた状態をさします。内痔核へのゴム輪結紮(けっさつ)療法の有効性について、『肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン』で引用された、1995年の論文を紹介します。

◆痔の治療を比較

痔のなかには、大きく分けると痔核、痔瘻裂肛があります。そのなかでも痔核は内痔核外痔核に分けられます。今回の研究では、このうち痔核の患者を対象に行われました。

今回の研究は、これまでに痔核の治療法を調べた18の論文をまとめて、痔核の治療効果について比較しました。

痔核の主な治療法として、痔核を手術で切除する方法、痔核に薬を注入し止血する方法(硬化療法)、またゴム輪結紮療法という、痔核の根元をゴムで結紮する(縛る)ことで血流を途絶えさせ壊死させる治療などがあります。

 

◆効果、合併症、痛みなどを考慮すると、ゴム輪結紮療法が良い

以下の結果が得られました。

合併症の大きく(p=0.02)、痛みも強かった(p<0.0001)が、痔核切除術を行った患者はゴム結紮両方を行った患者よりも治療への反応がより良好であった(p=0.001)。

ゴム結紮療法は痔核に対する治療応答(p=0.005)について、硬化療法よりも良かった。それは、グレードで痔核を層別化しても同様であり(グレード1から2でp=0.007、グレード3の痔核でp=0.042)、合併症率については差はなかった(p=0.35)。

ゴム輪結紮療法が、硬化療法よりも効果は良好で、治療によって起こる合併症の頻度は同じくらいであったという結果でした。痔核切除手術とゴム輪結紮療法では、痔核切除手術の方が良好な結果でしたが、手術のほうが痛みや合併症がより多く起こりました。

筆者らは、「ゴム輪結紮療法は、グレード1から3の痔核の初期治療として推奨される。」と述べています。

 

この結果もふまえて、『肛門疾患(痔核・痔瘻裂肛診療ガイドライン』では、「ゴム輪結紮療法はIII度までの内痔核に有効な治療法である。」と推奨されています。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Comparison of hemorrhoidal treatment modalities. A meta-analysis.

Dis Colon Rectum. 1995 Jul

[PMID: 7607026]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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