2型糖尿病の慢性歯周病に有効な治療法は?
歯周炎は、歯を失う原因にもなる歯周病のひとつです。今回の研究は、2型糖尿病患者の慢性的な歯周炎に対し、スケーリングルートプレーニング(歯垢や歯石をとる方法)とサトラニダゾール(抗菌薬)を併用したときの有効性を検証しました。
◆スケーリングルートプレーニング(SRP)とサトラニダゾールの併用効果を検証
この研究は、歯周ポケット(歯と歯茎の間に溝ができ、その溝が深くなりポケットとなること)が5mm以上の2型糖尿病患者64名を対象としました。 32名ずつ、SRPとサトラニダゾール治療を行う群とSRPのみ行う群にランダムに分け、効果を検証しました。
◆SRPとサトラニダゾール治療を併用した方が改善
以下の結果が得られました。
6ヶ月時点で、Group2(4.73mm)はGroup1(2.09mm、p<0.05)と比べて、プローブ深度の平均減少量が大きく、臨床的アタッチメントレベルもより大きく改善していた(3.92mm vs 1.64mm、p<0.05)。
2型糖尿病患者の
筆者らは、「3%のサトラニタゾールゲルを歯周炎の対象者に非外科的な歯周治療の補助として使うと、初期の歯周治療単独で行うよりも、臨床結果が
歯周病は、糖尿病や心筋梗塞などとの関連性が報告されており、また口臭の発生の面からも改善するメリットは多くあります。
執筆者
Efficacy of Subgingivally Delivered Satranidazole in the Treatment of Type 2 Diabetes Subjects with Chronic Periodontitis: A Randomized Controlled Clinical Trial.
J Int Acad Periodontol. 2015 Apr
[PMID: 26242010]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。