2015.08.22 | ニュース
肝臓がんに対する化学療法の副作用、ソラフェニブの注意点とは
ランダム化比較試験により検証
from The New England journal of medicine

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ソラフェニブは、肝細胞がんの化学療法として使用されることがあり、生存率を改善させると言われています。しかし、『科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン』では今回紹介する2008年の論文などを考慮し、副作用に対する注意喚起も記載されています。
◆ソラフェニブ治療群と対照群にランダムに振り分け
今回の研究は、進行した肝細胞がんの患者を対象に、以下のとおりに行われました。
[...]過去に全身治療を受けたことがない進行した肝細胞がん患者602名をランダムにソラフェニブ群(1日2回用量400mg)またはプラセボ群にランダムに振り分けた。
ソラフェニブ治療を受ける群と対照群に分け、生存率と
◆ソラフェニブ治療では生存率は高くなるが、副作用も
調査の結果、以下のことを報告しました。
全生存期間の中央値は、ソラフェニブ群では10.7ヶ月、プラセボ群では7.9ヶ月であった(ソラフェニブ群のハザード比:0.69、95%信頼区間0.55-0.87、p<0.001)。
下痢、体重減少、手足皮膚反応、低リン酸血症はソラフェニブ群でより多かった。
ソラフェニブ治療を行うと生存率は向上する一方で、副作用と考えられることとして、皮膚反応や下痢の頻度が大きくなることを報告しました。
『科学的根拠に基づく肝癌
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参考文献
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。