2015.08.07 | ニュース

仮面高血圧に注意!心血管疾患のリスクは持続性高血圧と同程度

578名を追跡調査
from Circulation
仮面高血圧に注意!心血管疾患のリスクは持続性高血圧と同程度の写真
(C) kim - Fotolia.com

仮面高血圧は、家庭で測定する血圧が病院で測定する血圧に比べて高い状態のことで、この場合、家庭血圧の値にそった高血圧の治療が一般的です。その根拠となる、心血管疾患リスクとの関連を示した論文を紹介します。

◆孤立性自由行動下高血圧、持続性高血圧と心血管疾患による死亡との関連を検証

この研究では、身に着けたまま動き回れるタイプの血圧計を使い、行動中の血圧を測り続けた場合に、病院では血圧は正常であるにも関わらず、行動中は血圧が高くなることを孤立性自由行動下高血圧と定義しました。また、行動中の血圧が高く、病院でも血圧が高い場合を持続性高血圧としました。

70歳の男性578名を対象に24時間の血圧とほかの健康状態を調査し、脳卒中などの心血管疾患による死亡との関連を検証しました。

 

◆どちらの高血圧も心血管疾患の死亡に同程度に関連

以下のことを報告しました。

血清コレステロール、喫煙、糖尿病で調整した多変量モデルにより、孤立性自由行動下高血圧(ハザード比2.77、95%信頼区間1.15-6.68)と持続性高血圧(ハザード比2.94、95%信頼区間1.49-5.82)は心血管疾患による死亡を予測する独立変数であることが示された。

孤立性自由行動下高血圧と持続性高血圧は、心血管疾患の発生リスクに関連する強さは同程度であるという結果でした。

つまり、診察時に血圧が正常でも、行動中に血圧が高ければ、心血管疾患のリスクが高くなっていました

筆者らは、「この結果は、24時間行動下血圧モニタリングが、外来血圧が正常な患者においても、重要な予後情報を明らかにするかもしれないことを示唆する」と結論付けています。

 

高血圧治療ガイドラインでは、診察室で測定した血圧と家庭で測定した血圧に差が見られる場合は、家庭で測定した血圧による診断を優先することを勧めています。

仮面高血圧は、通常の診察では正常と診断されてしまう一方、家庭で測定した高血圧も一般的な高血圧と同程度の心血管疾患リスクとなることから、病院で血圧を測ったときに正常範囲と言われても、家庭でも血圧を測っておけば重要な情報になるのかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Isolated ambulatory hypertension predicts cardiovascular morbidity in elderly men.

Circulation. 2003 Mar 11

[PMID: 12628951]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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