慢性C型肝炎のアルコール依存症に動機づけ強化療法が有効

アルコール依存症は、お酒を大量に飲み続けないと、精神的にも肉体的にも自分を保てない状態です。今回の研究は、慢性C型肝炎がある人のアルコール依存症の治療に動機づけ強化療法が有効だったことを報告しました。
◆動機づけ強化療法とは
飲酒習慣を評価し、そのフィードバックおよび治療を行う方法。動機づけ面接法を応用した方法です。
◆動機づけ強化療法群と教育群にランダムに振り分け
今回の研究は、C型肝炎を持つアルコール依存症患者139名を動機づけ強化療法群と教育群にランダムに分類し、禁酒日数や1週間あたりの標準的な飲酒量を検証しました。教育群では動機づけ強化療法を行わず、比較のため禁酒教育を行いました。
◆動機づけ強化療法を行うと禁酒日数が増える
調査の結果、以下のことを報告しました。
禁酒日数が対照群ではベースラインで34.63%、6ヶ月時点では59.49%であったのと比べて、動機づけ強化療法群では、ベースラインで34.98%であったが、6ヶ月時点では73.15%まで増加した。
動機づけ強化療法群では、全体を通して禁酒日数の割合は
有意 に増加(F(1120.4)=28.04、p<0.001)、群と時間の相互作用も有意であり(F(1119.9)=5.23、p=0.024)、教育対照群と比較して6ヶ月時点で禁酒日数の割合がより大きく増加した。
動機づけ強化療法を行った群では、教育をした群と比べて、禁酒日数の割合が増加したという結果でした。
C型肝炎がある人では、アルコール依存症により肝臓にさらにダメージが重なるだけでなく、うつ病や不眠症を
執筆者
Efficacy of motivational enhancement therapy on alcohol use disorders in patients with chronic hepatitis C: a randomized controlled trial.
Addiction. 2014 Nov
[PMID: 25040898]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。