2015.07.26 | ニュース

膝の軟骨再建に有効な治療はどれ?骨髄刺激、軟骨細胞移植、骨軟骨移植を比較

12件765人のメタアナリシス
from The American journal of sports medicine
膝の軟骨再建に有効な治療はどれ?骨髄刺激、軟骨細胞移植、骨軟骨移植を比較の写真
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変形性膝関節症などで関節の軟骨が傷ついてしまうと元に戻すことは難しく、重症では人工膝関節全置換術が必要になります。ほかの治療として行われている3種類の方法をこれまでの研究報告から比較した結果、いずれも同程度に有効とまとめられました。

◆3種類の研究について過去の研究を検証

この研究では、骨髄刺激(MS)、自家培養軟骨細胞移植(ACI)、自家骨軟骨移植(OAT)という3種類の治療を検討しました。

骨髄刺激は軟骨の下の骨に小さな穴を開けることで組織の修復を促す方法、自家培養軟骨細胞移植は軟骨細胞を一度取り出し、培養し増殖させて傷ついた関節に移植する方法、自家骨軟骨移植は傷ついた場所以外の骨と軟骨を切り取って移植する方法です。

研究班は、論文データベースを検索し、これらを比較した研究を集め、治療後の機能についての結果をまとめました。

 

◆3種類に差はない

次の結果が得られました

条件を満たす12件のランダム化研究と、その対象者合計765人(62%が男性)、病変の大きさは平均3.9cm2±標準偏差1.3cm2が、このレビューの対象となった。

ACIとMSの比較をプールした解析で、24か月のフォローアップにおいて機能(標準化平均差0.47、95%信頼区間-0.19から1.13、P=0.16)、痛み(標準化平均差-0.13、95%信頼区間-0.39から0.13、P=0.33)の帰結に差はなかった。

全体で、6件の試験のうち5件がACIとOATの間、あるいはACIの世代によって、機能の帰結に有意な差はないと結論していた。

見つかった12件の研究の中で、3種類の治療の間に差は見られませんでした

 

実際にはこれら3種類がそれぞれ適する場合は若干違うと言われ、傷ついた関節の状態などによって使い分けられていますが、ここでは治療法をランダムに選んで比較した研究が集められています。最適な使い分けについても知りたくなりますが、ランダムに選んでも同程度だったというこの結果はひとつの目安になるかもしれません。

なお、変形性膝関節症の治療法にはこのほかにも多くの試みがあり、一部はMEDLEYニュースでも紹介しています。関心のある方はあわせてご覧ください。

変形性膝関節症の新治療になるのか?幹細胞で膝関節の軟骨が再生」

http://medley.life/news/item/559402adabe97cfa00f25173

変形性膝関節症にヒアルロン酸の関節内注射は実際に効くのか?2万人のデータで検証」

http://medley.life/news/item/559cca5d9e799f8900413ceb

変形性膝関節症にキネシオテーピング、膝の痛みが軽減」

http://medley.life/news/item/5594b134abe97c3501f24fd3

変形性膝関節症に対する陸上の運動療法は長期的な効果あり」

http://medley.life/news/item/55522df3a6b1aafe008f88de

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Cartilage Restoration of the Knee: A Systematic Review and Meta-Analysis of Level 1 Studies.

Am J Sports Med. 2015 Jul 2 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26138733]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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