2015.07.11 | ニュース

乳酸菌の一種、ラクトバチルス・ロイテリが糖尿病に関連するホルモン分泌を改善する

ドイツで21人の研究から
from Diabetes care
乳酸菌の一種、ラクトバチルス・ロイテリが糖尿病に関連するホルモン分泌を改善するの写真
(C) Andrey Sukhachev - Fotolia.com

ラクトバチルス・ロイテリは乳酸菌の中でも善玉菌として知られ、腸内改善や免疫力機能強化など、様々な役割を果たしています。今回著者らのグループは、通常体型と肥満体型の人達にラクトバチルス・ロイテリを与えました。その結果、ラクトバチルス・ロイテリを与えなかった集団と比較して、血糖値を下げる働きのある物質「GLP1」「GLP2」が増加し、インスリン分泌等も増加しました。

◆21人に対し検討

著者らは以下の調査を行いました。

21人(通常体型値11人;平均年齢49 ± 7歳;BMI 23.6 ± 1.7 kg/m2、肥満体型10人;平均年齢51 ± 7歳;BMI 35.5 ± 4.9 kg/m2)の耐糖能に対し、前向き無作為二重盲検を行った。被験者は1日2回、10^10CFU のラクトバチルス•ロイテリまたは偽薬を4週間飲んだ。

つまり通常体型11人、肥満体型10人を無作為にわけ、一方のグループに乳酸菌ラクトバチルス・ロイテリを摂らせました。そしてブドウ糖負荷試験やGLP1、GLP2、インスリン等の分泌変化を検討しました。

上昇した血糖値を元に戻す力を耐糖能と言い、糖尿病では耐糖能がおかしくなり、糖代謝が異常になる場合が多いです。

ブドウ糖負荷試験はこの耐糖能を調べる試験です。空腹時にブドウ糖を含むジュースを飲み、血中の糖やインスリンの値を調べます。

GLP1やGLP2はグルカゴン様ペプチド-1, -2(Glucagon-like peptide-1, -2)の略で、血糖値が上がったときに膵臓からのインスリン分泌を促進し、血糖値を下げる能力を持つタンパク質です。

 

◆ラクトバチルス・ロイテリを飲むとGLP1が76%、GLP2が43%増加した

以下の調査結果が得られました。

被験者の耐糖能として、ラクトバチルス・ロイテリを飲んだグループの方が、偽薬のグループと比べ、ブドウ糖依存的GLP-1分泌を76%(P<0.01)、GLP-2分泌を43%(P<0.01)増加させた。更にインスリンも49%(P<0.05)、Cペプチド分泌が55%(P<0.05)増加した。

つまりラクトバチルス・ロイテリを飲むとGLP1や2の量が上昇し、インスリン分泌を促す事が観察されました。

著者らは、「腸内細菌叢にラクトバチルス・ロイテリを増加させることはインスリン分泌を増やす。[...]この結果は、経口である特定の細菌を取込むことが、ブドウ糖依存的なインスリン分泌改善への新たな治療アプローチをもたらしうることを示唆する」と述べています。

 

この結果から、ラクトバチルス・ロイテリを飲めば2型糖尿病等の代謝疾患を改善させる可能性が示唆されました。まだ慎重に実験を進める必要がありますが、ラクトバチルス・ロイテリの新たな作用として加えられるかも知れません。

執筆者

高田

参考文献

Intake of Lactobacillus reuteri Improves Incretin and Insulin Secretion in Glucose Tolerant Humans: A Proof of Concept.

Diabetes Care. 2015 Jun 17

 

[PMID: 26084343] http://care.diabetesjournals.org/content/early/2015/05/15/dc14-2690.short

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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