2015.06.30 | ニュース

スキニージーンズをはいて引っ越し作業をしたら横紋筋融解症になった

オーストラリア35歳女性の症例報告
from Journal of neurology, neurosurgery, and psychiatry
スキニージーンズをはいて引っ越し作業をしたら横紋筋融解症になったの写真
(C) WavebreakmediaMicro - Fotolia.com

体の一部が強く圧迫されると、筋肉や神経の異常を起こすことがあります。日常生活の中でも、ここで紹介するオーストラリアの女性のように極端な場合には、深刻な結果につながることがありえるようです。この女性はスキニージーンズをはいたまま何時間も引っ越し作業をしていたところ、横紋筋融解症という危険な状態に陥り、屋外で倒れていたところを発見されました。

◆スキニージーンズで引っ越し作業

この女性は、家族の引っ越しの手伝いのため、スキニージーンズをはいたまま、戸棚を整理するために何時間もしゃがんだ姿勢でいました。ジーンズがしだいにきつく感じられるようになり、歩いて帰る途中でつま先を上げる動作ができなくなり(下垂足)、転んで立ち上がれなくなりました。

 

◆筋肉が壊死、神経にも

医療機関に運ばれたとき、両足が腫れてジーンズは切り開かなければ脱がせることができなくなっていました。血液検査で、筋肉が壊れたときに増えるクレアチンキナーゼは73,215IU/Lというきわめて高い値(正常値は170IU/L程度が上限)で、CTの画像上に、ふくらはぎの筋肉が壊死しているらしい様子が見えました。これらの特徴は、腎臓にダメージを与えて命に関わることもある「横紋筋融解症」という状態を強く疑わせるものです。

また、足の先に延びる神経の一部で、電気信号が途中から伝わらなくなっていました。

入院して水分を補う治療を受けた結果、4日後には歩けるようになって退院しました。

研究班は「スキニージーンズをはいていたことで、下腿が腫脹した際、コンパートメント症候群を起こすことによって脛骨神経障害が起こりうる状態になった可能性が大きい」と推定しています。ふくらはぎの血流が悪くなったことによって筋肉が壊れ、腫れた足がスキニージーンズに締め付けられたことで神経にも圧迫によるダメージが生まれたのではないか、ということです。

 

長時間しゃがんだ姿勢でいることで神経がダメージを受けた例として、イチゴ摘みの仕事をしていた人に、この人と同じ下垂足の症状が現れたことが過去に報告されています。体を使う作業のときには楽な服装をして、ときどき姿勢を変えるなど、無理をしないよう気を付けたほうがよいのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Fashion victim: rhabdomyolysis and bilateral peroneal and tibial neuropathies as a result of squatting in 'skinny jeans'.

J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2015 Jun 23 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26105172]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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