うつ症状がある人はその後パーキンソン病を発症しやすい
パーキンソン病の症状のひとつにうつ症状が含まれることが知られていますが、うつ症状を発症した後でパーキンソン病を患うリスクに変化があるかどうかは、十分に確かめられていませんでした。今回、スウェーデンの研究チームが患者の情報を統計解析した結果、うつ症状のある人はそうではない人よりもパーキンソン病の発症率が高かったことを報告しました。
◆うつ患者140,688人を解析
今回の研究では、うつ
◆はじめの1年はパーキンソン病がオッズ比3.2倍
調査の結果、以下のことが報告されました。
中央値6.8年間(範囲0-26年間)の追跡調査で、3260人がパーキンソン病と診断された。
多変量で調整されたパーキンソン病のオッズ比(OR)は、うつ病が発症してからはじめの1年間で3.2(95%信頼区間2.5-4.1年)であり、うつ病後15から25年後では1.5 (95%信頼区間 1.1-2.0)まで減少した。
うつ症状を患った初めの1年間では、うつ症状がない人と比較して、パーキンソン病の発症リスクが高く、その後は差が小さくなりましたが、うつ症状発症の15年後から25年後の発症リスクにも差がありました。
筆者らは、「20年以上の追跡期間で
うつ症状を患うとパーキンソン病にかかりやすい可能性があることを報告した論文でしたが、その理由は不明なままです。精神科医師の先生方は、うつ症状が強い患者さんがその後パーキンソン病を患った例を経験されたことがありますか?
執筆者
Depression and subsequent risk of Parkinson disease: A nationwide cohort study.
Neurology. 2015 May 20
[PMID: 25995056]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。