寝ない赤ちゃんは、ミルクのせいでカロリーを取り過ぎてしまう危険がある
睡眠時間が短い子どもは体重が増えやすいと言われています。夜に食べたり飲んだりするものが増えるためと考えられていますが、実際に睡眠時間と夜のカロリー摂取に関係があるのかは確かめられていませんでした。イギリスの研究班が、満1歳の子どもを対象にカロリー摂取の記録を調べ、睡眠時間が短い子どもは夜に摂取するカロリーが増えていたことを報告しました。
◆満1歳時点での情報から解析
研究班は、イギリスで行われた大規模研究に参加した1,278の家族から、次の情報を得ました。
夜間の睡眠時間は月齢16か月でBrief Infant Sleep Questionnaireを使って調査された。日中のエネルギー摂取量と摂食エピソード(食事、スナック、飲み物)は、月齢21か月のときに記入された3日間の食事日記から取得された。
子どもが満1歳のときの睡眠時間と、特定の3日間に食べたり飲んだりしたものの記録をもとに統計解析を行いました。
◆夜間のカロリー摂取増、主にミルクから
次の結果が得られました。
仮説と矛盾なく、睡眠時間の短い子どもは夜間にのみ、より多くのカロリーを摂取していた(線形トレンドに対してP<0.001)。睡眠が10時間未満の子どもは、13時間以上眠る子どもよりも夜間のエネルギー摂取量が平均して120cal(1日の摂取量の15.2%)多かった。夜間のエネルギー摂取の大部分はミルクによるものだった。
睡眠時間が短い子どもは、主にミルクから、夜に摂取するカロリーが多くなっていました。
研究班は「両親は夜にミルクを飲ませることはエネルギー摂取過剰につながるかもしれないことに注意するべきだ」と述べています。
満1歳の子どもがなかなか寝付かないで、しかもお腹を空かせているとなれば、ついミルクぐらいは与えてしまうのかもしれません。とはいえバランスのよい食事のためには、カロリーのことを少し気に留めておいてもよいかもしれません。
執筆者
Sleep and nighttime energy consumption in early childhood: a population-based cohort study.
Pediatr Obes. 2015 Jan 7
[PMID: 25565402]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。