2015.05.26 | ニュース

糖尿病はぽっちゃり型のほうが死亡率が低い?

イギリスでの2型糖尿病予後調査から
from Annals of internal medicine
糖尿病はぽっちゃり型のほうが死亡率が低い?の写真
(C) chuugo - Fotolia.com

2型糖尿病は太ると起こりやすいと考えられています。心筋梗塞など重い病気の原因にもなる2型糖尿病がある人なら、痩せた方が健康に良いと思いがちですが、今回イギリスで大規模かつ長期間のコホート研究を行ったところ、なんと太り気味の方が死亡率が低い結果となりました。

◆2型糖尿病患者における体重と死亡率の関係を調査

著者らは以下の項目に関し、2型糖尿病患者の予後肥満の関係を調査しました。

心血管疾患の無い2型糖尿病患者について、肥満度指数(BMI)と予後に関する関連を調査した。総死亡率と心血管疾患罹患率(例えば、急性冠動脈症候群、脳血管障害、および心不全など)の情報が収集された。

つまり、2型糖尿病患者の肥満度指数(BMI、体重÷身長の2乗)と、心血管疾患にかかった人の割合、また死亡率との関係を調べました。


◆体重が重くても死亡率が高い訳ではなかった

著者らの調査の結果、以下の事実が観察されました。

10,568人の患者について平均10.6年間追跡調査をおこなった(四分位数範囲は7.8から13.4年)。平均年齢は63才(四分位数範囲は55から71才)で、54%が男性であった。BMI 25を越える過体重あるいは肥満患者はBMI 18.5から24.9の通常体重の患者よりも、心疾患イベントを生じる可能性が高かった。しかしながら過体重(BMI 25から29.9)の患者では死亡率が低く、肥満(BMI30を越える)患者では通常体重の患者と同等の死亡率であった。痩せている患者が一番予後が悪かった。

この調査において死因のデータは利用出来なかった。

この調査ではBMIで肥満度を分けています。BMIが25以上30未満の人を「太り気味(過体重)」、BMI30以上の人を「肥満」としました。

2型糖尿病治療後の患者において、肥満とは言えないけれど太り気味の患者が一番低い死亡率を示し、痩せている患者が一番死亡率が高かった事を報告しています。

著者らは、「この調査では、[...]過体重であると死亡率が低かったが、肥満ではそうではなかった」と述べています。

 

とにかく痩せれば良い訳ではないようで、とても興味深い結果ですね。心血管系の病気が起きるメカニズムについては、様々な研究をもとに今後も解明が続いていくのでしょう。

執筆者

高田

参考文献

The obesity paradox in type 2 diabetes mellitus: relationship of body mass index to prognosis: a cohort study.

Ann Intern Med. 2015 May 5

[PMID: 25938991] http://annals.org/article.aspx?articleid=2288516

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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