2015.05.25 | ニュース

モクレンの成分が心肥大を改善する?

マウスにおけるモクレン含有化合物の効果
from Nature communications
モクレンの成分が心肥大を改善する?の写真
(C) aleksey ipatov - Fotolia.com

ホオノキオールはモクレンの木の樹皮に含まれる化合物で、炎症や腫瘍を抑え、神経を保護する作用があります。マウスにホオノキオールを与える実験で、ホオノキオールが心肥大を改善したことが新しく報告されました。心肥大は高血圧症や肥大型心筋症で見られる心臓の変化で、さまざまな心臓の問題につながります。著者らはホオノキオールが心肥大を正常に戻せる可能性に言及しています。

◆ホオノキオールはマウスの心肥大を抑える

著者らはまず心肥大マウスにホオノキオールを投与すると心肥大が抑制される事を見つけました。更にホオノキオールの役割に関し調べた結果、心臓の細胞の中で働く「Sirt3」という酵素について以下の関係を見つけました。

ホオノキオールはミトコンドリアに局在してSirt3発現を約2倍誘導することが確かめられ、また直接ホオノキオールがSirt3と結合してSirt3活性を促進することが示唆された。

ホオノキオールはSirt3の量を増やしていました。また、Sirt3をより強く働くようにする可能性もあると考えられました。

 

◆Sirt3の活性化が心肥大を抑制する

更に筆者らは、心肥大におけるSirt3の役割を調べています。

Sirt3活性の上昇は、ミトコンドリアでのSirt3の脱アセチル化基質になるMnSODやoligomycin-sensitivity conferring protein (OSCP)のアセチル化の減少と関連する。ホオノキオール添加は野生型細胞ではミトコンドリアでの酸素消費量を増やし、ROS合成を減弱させるが、それはSirt3遺伝子欠損細胞では生じない。ホオノキオールは心臓線維芽細胞の増殖及び筋線維芽細胞への分化を、Sirt3依存的に阻害する。

ホオノキオールは、Sirt3が細胞の中のさまざまな物質と反応する働きを強くしていました。また、ホオノキオールを与えられた細胞は、心肥大につながる増殖や変化を起こしにくくなりました。この効果は細胞の中にSirt3がないときには見られませんでした。

著者らは、「これらの結果はホオノキオールが薬理学的にSirt3活性化剤として作用し、心肥大応答を阻害、更には正常状態に戻せる事を示唆している」と述べています。

 

昔から知られている栄養素に加え、体内の働きに影響する植物成分が、最近の化合物のデータを用いた実験で、どんどん報告されています。今後も意外な効果を持つ新たな化合物が、どんどんみつかっていくでしょう。

 

なおMEDLEYニュースでは、Sirt3と緑茶の関係を示唆した研究を紹介しています。興味のある方はあわせてご覧ください。


「緑茶はこうして口腔がんを狙い撃ちする」

http://medley.life/news/item/555e035b59747e3301e63432

執筆者

高田

参考文献

Honokiol blocks and reverses cardiac hypertrophy in mice by activating mitochondrial Sirt3.

Nat Commun. 2015 Apr 14

 

[PMID: 25871545 ] http://www.nature.com/ncomms/2015/150414/ncomms7656/full/ncomms7656.html?WT.ec_id=NCOMMS-20150415

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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