2015.05.24 | ニュース

肺炎の診断に超音波検査が有効!

イタリアで検査方法を比較
from The American journal of emergency medicine
肺炎の診断に超音波検査が有効!の写真
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肺炎の診断のための主な検査は、レントゲンや胸部CTであることが一般的です。そこに、近年では超音波検査の有効性が徐々に知られてきました。超音波検査は必ずしも標準的な肺炎の診断方法とはみなされていませんが、イタリアで行われた研究により、超音波検査を「信頼しうる」と位置づけるデータが示されました。

◆呼吸に症状のある救急患者が対象

研究班は、次のように対象者を集めました。

この研究は、ある病院の救急部を受診し、原因不明の呼吸器症状を訴えた患者全体を対象とする前向き研究である。臨床的な理由により胸部CTを撮影されたすべての患者が対象とされた。

呼吸の症状で救急を受診した人全体の中から、胸部CTを撮影された人が研究の対象とされ、超音波検査を受けました。

 

◆レントゲンよりも検出数が多かった

超音波検査は以下の結果を出しました。

285人の患者のデータを解析した。CTで1か所以上の浸潤影が見られた患者は87人だった。超音波検査はすべての患者に行うことができた。1か所以上の浸潤影が見られた患者は81人で、読影者間の診断はよく一致し(κ=0.83)、感度82.8%(95%信頼区間73.2%から90%)、特異度95.5%(95%信頼区間86.5%から99.6%)だった。

胸部レントゲンを撮影した190人の患者サブグループに対しては、超音波検査の感度(81.4%、95%信頼区間70.7%から89.7%)は胸部レントゲン(64.3%、95%信頼区間51.9%から75.4%)よりも有意に高かった(P<0.05)。特異度には有意差がなかった(超音波検査で94.2%、95%信頼区間88.4%から97.6%、胸部レントゲンで90%、95%信頼区間83.2%から94.7%)。

研究班は、CTの画像に見つかった「浸潤影」という特徴のある部分をどれだけ見つけられたかで、超音波検査が肺炎の診断にどの程度役立つかを評価しました。CTで浸潤影が見つかった人のうち82.8%に、超音波検査でも浸潤影を見つけることができました。CTで浸潤影がなかった人のうち95.5%は、超音波検査でも浸潤影なしと判断されました。

また、CTと超音波検査に加えて、何らかの理由でレントゲンも撮影した人について、超音波検査とレントゲンを比較したところ、超音波検査のほうが多くの浸潤影を見つけていたうえ、CTで見れば浸潤影ではないものを誤って浸潤影とする割合は増えていませんでした。

研究班はこの結果から、「胸部超音波検査は呼吸器症状のある患者の肺浸潤影の臨床診断において、胸部レントゲンを代替しうる、信頼しうる診断ツール」だと結論しています。

 

超音波検査はレントゲンに比較し、持ち運びが楽であったり、機械以外に検査に必要な設備がありません。例えば老人ホームや介護施設などでも、超音波が今度益々活用されていくのかもしれません。ふだん呼吸器の症状を診断されている医師の方は、超音波検査にはどのような印象をお持ちでしょうか?

執筆者

大脇 幸志郎

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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