2015.05.21 | ニュース

共同親権は、子どもの健康にどんな影響があるのか

スウェーデンの子ども147,839人を分析
from Journal of epidemiology and community health
共同親権は、子どもの健康にどんな影響があるのかの写真
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子どものいる夫婦が別居した場合に、子どもが両親の家を行ったり来たりして生活する、共同親権という解決が取られることがあります。スウェーデンの研究で、「親の元を頻繁に移動し、安定を欠くことは子どもにとってストレスである」という仮説を検証した結果、共同親権の子どもには、両親と一緒に暮らしている子どもと比べて心因性の健康問題が多く見られたことが報告されました。

◆子どもの心因性問題と生活状況の関連性を検証

調査は以下の方法で行われました。

スウェーデンの6年生および9年生の国立授業調査のデータ(147,839例)を用いて、子どもの心因性問題と親との生活上の取り決めの関連性を調査した。

共同親権にある子どもと、常にまたはほとんどの期間で片親の元にいる子ども、核家族の元にいる子どもを比較した。

スウェーデンにおける147,839人の子どもを対象に、心因性の健康問題と、親との生活上の取り決め(どのように家族と過ごしているか)の関連性を検証しました。

その他にも、親子の関係性(例えば、何か欲しいときに親に話せるか)や資源(例えば、友達と同じようなことをするために十分なお金をもらっているか)など、調べたい関連性に影響しそうな要因も含めて、検討しています。

 

◆共同親権の子どもは、核家族の元にいる子どもと比べて心因性の問題が多い

調査の結果、以下のことがわかりました。

共同親権の元にいる子どもは、常にまたはほとんどの期間で片親の元で過ごす子どもと比較して、心因性の問題が少ないが、核家族の元にいる子どもと比較するとより多くの症状があった。

資源や親子関係は、子どもの心因性の健康問題と関連していたが、共同親権、片親、核家族の子どもの間にある違いは説明できなかった。

共同親権下で両方の親の場所を行ったり来たりしている子どもは、片親の元で多くの時間を過ごす子どもと比べて心因性の問題が少ない一方で、両親と一緒に過ごしている核家族と比べると心因性の問題が多いという関連がありました。

この関連は、たとえば「核家族では親子の関係性がよいからではないか」というように、ほかの要因によって説明できる可能性も考えられましたが、統計的に解析したところ、共同親権、片親、核家族の子どもの間には、親子の関係性や資源だけでは説明できない違いが残っていました。

筆者らは、「親が別々になる前後の家族要因についての情報に基づいた縦断調査を行う必要があり、それにより親が別々になった後の子どもの生活上の取り決めに関するルールを決めることができる」と結論づけています。

 

日本でも離婚は無視できません。両親が別々に暮らすことになってしまった場合、親の都合だけでなく、子どものためにどうするのが一番いいのかをよく考える必要があるのかもしれません。

 

【訂正のお知らせ(2015年6月12日)】

本記事のタイトルを一部変更致しました。

もともとのタイトルでは、「両親が別居すると」と記載されておりましたが、「共同親権」と記載するべきであるというご指摘を頂きました。

訂正し、お詫び申し上げます。

執筆者

MT

参考文献

Fifty moves a year: is there an association between joint physical custody and psychosomatic problems in children?

J Epidemiol Community Health. 2015 Apr 28.

[PMID: 25922471]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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