2015.05.22 | ニュース

痛風があるとアルツハイマー病の発症リスクが減る?

5年間にわたり、30万人を分析
from Annals of the rheumatic diseases
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痛風は尿酸という血液の中にある成分が体内で固まることによって生じる病気です。今回、研究チームはこの尿酸に神経を保護する作用があるのではないかと仮説をたて、痛風患者と痛風にかかっていない人を比較すると、痛風患者においてアルツハイマー病の発症リスクが減少していたことを報告しました。

研究チームは、医療記録データベースを調査し、アルツハイマー病発症率を、痛風患者の集団と、登録時に痛風または認知症があった人を除いた集団(比較集団)とで比較しました。

 

結果は以下のとおりでした。

中央値5年のフォローの間、痛風患者59,224人(29%が女性、平均65歳)のうち309人が、比較集団238,805人のうち1,942人がアルツハイマー病と診断された(1,000人年でそれぞれ1.0 vs 1.5)。

およそ5年のフォローの期間で、痛風患者集団59,224人のうち309人が、比較集団238,805人のうち1,942人がアルツハイマー病と診断されました。

アルツハイマー病に関係するほかの要因を調整して比較したところ、痛風患者集団では比較集団よりも統計的に有意アルツハイマー病の発症が少なくなっていました。

研究チームは「この結果は、痛風アルツハイマー病の発症リスクと逆相関の関係にあり、尿酸に神経保護の役割があるという推測を支持する、初めての一般集団ベースのエビデンスをもたらす」と述べています。

 

今回の研究では、年齢や性別、BMIといった要因以外に、計測されていない要因がアルツハイマー病と関係している可能性は否定できません。また、痛風アルツハイマー病の関連が仮に確かだったとしても、尿酸が神経を保護する作用があるかどうかはこの結果からは推論できません。

しかし、もし本当に尿酸にそのような効果があり、そのメカニズムが解明されれば、アルツハイマー病の治療が発展するかもしれません。

普段、痛風患者を診療されている医師の方は、痛風アルツハイマー病の関連を感じたことがありますか?

執筆者

佐々木 康治

参考文献

Gout and the risk of Alzheimer's disease: a population-based, BMI-matched cohort study.

Ann Rheum Dis. 2015 Mar 4.

[PMID: 25739830]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。