2015.05.01 | ニュース

「ビリルビン」が多い人は血圧が低い

3万人の統計解析で高血圧症の頻度に25%の差
from International journal of epidemiology
「ビリルビン」が多い人は血圧が低いの写真
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胆汁の成分であるビリルビンは、肝臓の病気があるときに血液に流れ込んで黄疸を起こし、かゆみなどの原因になると考えられています。その反面、血中のビリルビンの量が正常範囲内で多い人には心血管疾患が少ないという報告もあります。アメリカのウィスコンシン大学の研究班が、より詳しく、ビリルビンと血圧に関連があるかを調べ、「血中のビリルビンが高い人は血圧が低い」という傾向を報告しました。

◆13年かけて集めた3万人のデータを解析

研究班は、1999年から2012年にかけて行われた大規模調査のデータベースを使い、対象者31,069人分の情報を統計解析しました。収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上、降圧薬を使っている、のいずれかに当てはまる人を「高血圧症」として扱い、血中のビリルビンと血圧、また高血圧症の関連を調べました。
 

◆収縮期血圧2.5mmHg、高血圧症25%の差

対象者のうち血中のビリルビンが1.0mg/dL以上の人は、0.1-0.4mg/dLの人に比べて、収縮期血圧は2.5mmHg低く、高血圧症は25%少なくなっていました。この関連にほかの要素の影響は見つかりませんでした。

研究班は「血中のビリルビンが高いと高血圧のリスクが減るかもしれない」と述べ、そのしくみを「ビリルビンが血管の細胞の中で活性酸素を減らすことと関係しているのではないか」と推定しています。さらに、ビリルビンが高血圧と虚血性心疾患の予防とコントロールに役立つ可能性にも言及しています。

 

高血圧症の頻度に25%という大きな差が報告されましたが、これはどう解釈できるでしょうか? これからの研究で、ビリルビンは新しい治療法の鍵になっていくのでしょうか?

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Serum bilirubin and the risk of hypertension.

Int J Epidemiol. 2015 Feb

[PMID: 25541554]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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