2015.05.06 | ニュース

たばこの煙が黄色ブドウ球菌をもっと危険にする?

MRSAの免疫耐性が増大、マウス実験により検証
from Infection and immunity
たばこの煙が黄色ブドウ球菌をもっと危険にする?の写真
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、院内感染の原因となる細菌で、治療が難しく感染による死亡も報告されています。このMRSAの有害性をたばこの煙が強くしている可能性を、米国カルフォルニア大学の研究チームがマウスを用いた実験から推定しました。

◆MRSAをたばこの煙から抽出した物質下で培養

この研究では、まず免疫作用の役割を担うマクロファージをMRSAに感染させ、それらをたばこの煙から抽出された物質下で培養する群と通常の方法で培養する群に分けました。

その後、培養した細菌の免疫機能に対する耐性の強さ、およびマウスに感染させた場合の肺炎による死亡率を検証しました。

 

◆たばこの煙はMRSAの耐性を強くする

たばこの煙から抽出された物質下で培養されたMRSAは、通常の方法で培養されたMRSAと比較して、マクロファージの免疫作用に対して強い耐性を示しました。さらに、そのMRSAをマウスに感染させた結果、肺炎による死亡率が上昇しました。

このことから、免疫作用に対するMRSAの耐性は、たばこの煙により強まることが示唆されました。筆者らは、この現象が喫煙者の感染症に対する感受性の増大に寄与している可能性に言及しています。

 

たばこが人体に悪影響を及ぼすのではなく、たばこが細菌をより強くしてしまうというこの報告。とても興味深いですね。

執筆者

MT

参考文献

Analysis of the Effects of Cigarette Smoke on Staphylococcal Virulence Phenotypes.

Infect Immun. 2015 Mar 30

[PMID: 25824841]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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