青少年の肥満治療には「動機付け面接+両親の参加」
肥満と関連が深い病気に2型糖尿病や脂質異常症(高脂血症)などがあります。これらの病気は、大人だけの病気ではなく、若年者でも問題になることがあります。青少年の肥満治療に、「動機付け面接」 (MI) という、医師との対話によって対象者の行動を変えていく方法があります。この治療は両親の参加がある場合に有効性が増すと考えられています。イランでの研究で、青少年の肥満治療としてMIを行うときに、両親の参加にどの程度の意義があるのかが報告されました。
◆357人の対象者をランダム化
14歳から18歳で肥満がある357人のイラン人が対象となり、MIだけで治療されるグループ、MIに加えて両親の参加があるグループ (MI+PI) 、
◆MI+PIグループで改善を確認
ほとんどの計測値はMI+PIグループで最もよい結果を示しました。
研究班は「青少年の肥満治療にMIを使うときには両親の参加を得ると効果が増すという知見が実際の治療で重要になるかもしれない」とまとめています。
ただ、BMIはMI+PIグループで改善したとされていますが、MIだけのグループではむしろ悪化しているようです。「両親の関与を前提にMIの有効性を認める」という解釈のほかに、「MIは有効ではなく、両親の関与だけが重要だった」という解釈もありえるかもしれません。
執筆者
Motivational interviewing with parents for obesity: an RCT.
Pediatrics. 2015 Mar
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。