2015.05.03 | ニュース

2型糖尿病患者の血圧管理はやっぱり必須

英研究チームが40試験10万例以上を分析
from JAMA
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糖尿病患者は高血圧に伴う心血管疾患などの発生リスクが高いことが知られています。血圧と心血管疾患の関係は多く報告されていますが、その対象は様々で民族、性別などによっても異なります。今回の研究では、様々な対象を含めた降圧治療の有効性を実証するために、イギリス・オックスフォード大学の研究チームが、過去に行われた2型糖尿病患者に対する降圧治療の効果を10万例以上集積し分析しました。

◆降圧治療と心血管イベント発生の関連性を分析

イギリス・オックスフォード大学の研究チームは、心血管疾患の発生に対する降圧治療の有効性を検討するために、1966年から2014年の研究論文を系統的に抽出し、死亡率、心血管疾患・脳卒中腎不全などの発生率を指標に、その効果を検証しました。

 

◆降圧治療により、心血管疾患の発生リスクが減少

対象となった論文から、40試験に参加した100,354名を分析した結果、降圧治療により、死亡率、心血管疾患・脳卒中などの発生を減少させることが判明しました。

さらに、試験開始時の最高血圧が140mmHg以上の者と140mmHg以下の者を分けて分析した効果、140mmHg以上の者で効果があり、140mmHg以下の者では効果が少ない指標として、死亡率、心血管疾患の発生率が挙げられました。

以上の結果から、2型糖尿病患者の降圧剤を用いた血圧管理は心血管疾患などの発生予防として支持できるものである、と著者らは報告しています。

 

改めて、10万例以上を分析した結果、2型糖尿病患者における高血圧治療の重要性が示されています。血圧が高くても症状を感じないことがほとんどなので、高血圧はついつい放置されがちです。より多くの患者さんがきちんと血圧をコントロールすることで、心筋梗塞脳梗塞などの重篤な病気の発症が減っていくことを願うばかりです。

執筆者

MT

参考文献

Blood pressure lowering in type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis.

JAMA. 2015 Feb 10

[PMID: 25668264]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。