「低GI食品」の効果は疑わしい

同じだけの炭水化物を含む食べ物でも、血糖値を上げる効果 ( GI ) はさまざまであることが知られています。では、GIが低い食べ物を選んで食べれば病気になりにくいのでしょうか。アメリカの研究班が、低GI食と高GI食が血圧や血中コレステロールに与える影響を比較し、「差がない」という結果を発表しました。
◆食事の内容を変えて比較
この研究では、163人の肥満成人を対象として、2008年から2010年までの研究期間に、研究班が用意した5週間分の食事メニュー4種類のうち2種類以上を食べてもらいました。
4種類は「DASH食」という高血圧の食事療法として使われる内容をもとに、それぞれ
- 高炭水化物・高GI
- 高炭水化物・低GI
- 低炭水化物・高GI
- 低炭水化物・低GI
としたものです。
◆トリグリセリド以外に効果なし
高炭水化物食のうちでは、低GI食のほうが高GI食よりも検査値をよくすることはなく、
低炭水化物食どうしの比較では、低GI食は高GI食に比べてトリグリセリドを下げました。
高炭水化物・高GI食に比べて、低炭水化物・低GI食はトリグリセリドを下げましたが、ほかの指標のインスリン感受性、
研究班は「DASH食をとるときに、GIで食べ物を選んでも
トリグリセリドが下がった以外には有益な有意差が見られませんでしたが、この結果はどう解釈できるでしょうか? また、糖尿病や高血圧の患者さんにはどんな食事が勧められるのでしょうか。
執筆者
Effects of high vs low glycemic index of dietary carbohydrate on cardiovascular disease risk factors and insulin sensitivity: the OmniCarb randomized clinical trial.
JAMA. 2014 Dec 17
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。