2015.05.03 | ニュース

科学研究の広報発表は、3割以上が誇張を含む

誇張表現がニュースにも飛び火、英国で検証
from BMJ (Clinical research ed.)
科学研究の広報発表は、3割以上が誇張を含むの写真
(C) auremar - Fotolia.com

科学研究の新発見が、多くの人に知られるまでに、ゆがんで伝えられることがよくあります。医学の分野でもそれは起こりがちですが、その原因は何が大きいのでしょうか。カーディフ大学などの研究班が、イギリスの有名大学のプレスリリースに注目して調査しました。

◆情報元の論文とプレスリリース、ニュースを比較検証

研究班は、2011年にイギリスの20の有名大学から出された医学生物学と健康に関係する科学研究のプレスリリース462件と、それらを取り上げたニュース668件を対象にしました。

それぞれについて、専門誌に載った情報元の論文と比べて、読者の行動を変えるアドバイス、統計分析からわかる原因についての記述、また動物実験を人間に当てはめる推論に、誇張された表現がないかを調べました。
 

◆プレスリリースとニュースの誇張に強い関連

プレスリリースのうち誇張されたアドバイスを含むものは40%、原因について誇張された記述を含むものは33%、動物実験でわかったことを人間に当てはめすぎているものは36%でした。

プレスリリースにそれらの誇張がある場合、ニュースにも同じ種類の誇張が現れる割合はそれぞれ58%、81%、86%で、プレスリリースに誇張がないのにニュースが誇張している割合はそれぞれ17%、18%、10%でした。また、プレスリリースに誇張があるほうがニュースに取り上げられやすいという関連は見られませんでした。

 

ニュースの誇張がプレスリリースの誇張と強く関連するという結果から、研究班は「科学研究のプレスリリースをより正確にすることが健康関連のミスリーディングなニュースを減らすために重要かもしれない」と述べています。

読者のみなさんは、論文のプレスリリースに誇張表現を見かけたことがありますか?

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

The association between exaggeration in health related science news and academic press releases: retrospective observational study.

BMJ. 2014 Dec 9

[PMID: 25498121]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。