2015.04.26 | ニュース

高齢男性の所得格差が、心血管疾患による死亡率を増加させる!?

愛知県在住の高齢者21,031人を分析
from Journal of epidemiology and community health
高齢男性の所得格差が、心血管疾患による死亡率を増加させる!?の写真
(C) Mumpitz - Fotolia.com

自分と周囲の所得の違いにより生まれる、みじめさや妬みといった感情を「相対的はく奪感」と呼びます。この誰しもが経験したことのある感情は、ストレスを生み、その結果心臓の病気を引き起こす可能性があります。今回、本邦の研究チームが、「相対的はく奪」状態にある高齢男性が心血管疾患により死亡する確率が高いことを報告しました。

◆4.5年間の追跡調査

愛知県在住の要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者を対象に、「相対的はく奪」を調べ、その後約4.5年間追跡しました。

相対的はく奪は、対象者の所得と、対象者と性別、年齢層、住んでいる市町村が同じ人たちの平均所得との差として計算しました。

 

◆心血管疾患による死亡リスクが1.5倍

男性高齢者で相対的はく奪の度合いが大きい人は、地理、健康状態や収入等の社会経済的な差といった要因による影響を除いた後であっても、対象者全体と比べて、心血管疾患心筋梗塞狭心症など)による死亡が増えることが判明しました。

その一方、相対的はく奪によって、がんやその他の疾患による死亡リスクはほとんど変わりませんでした。

所得格差が大きな社会は相対的はく奪感を強め、その結果として心臓の病気のリスクを高める可能性があります。

 

所得格差は、どのような社会においても生じうるものです。そのなかで、どのように「こころの健康」に配慮すれば良いのでしょうか? 考えさせられる研究報告です。

執筆者

MT

参考文献

Kondo N et al.,Relative deprivation in income and mortality by leading causes AMONG older Japanese men and women: AGES cohort study.J Epidemiol Community Health. 2015 Feb 19. doi: 10.1136/jech-2014-205103.

[PMID: 25700534] http://jech.bmj.com/content/early/2015/02/19/jech-2014-205103.long

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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