2015.04.23 | ニュース

ビタミンD補充療法はCOPD患者の上気道感染に効果なし?

英国の患者240例のランダム化試験の結果から
from The Lancet. Respiratory medicine
ビタミンD補充療法はCOPD患者の上気道感染に効果なし?の写真
(C) Alexander Raths - Fotolia.com

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、主にたばこが原因で肺が変性してしまう病気のことです。COPD患者ではビタミンD欠乏症が、症状が悪化する原因である上気道感染の起こしやすさと関係があると言われてきました。 今回英国の研究グループは、ビタミンD3の補充により一部のCOPDの症状悪化は減るが、上気道感染の発症は減らないと報告しました。

◆COPD患者240例を統計解析する

ロンドンにある64ヶ所の医療機関のCOPD患者240人をビタミンD3補充治療をする群としない群にランダムに分け、臨床試験を行いました(二重盲検法)。

なお、ビタミンD3補充療法は1ヶ月に3mgの6回経口投与を1ヶ月に2回の頻度で行われました。

 

◆上気道感染には効果なし、一部の患者の症状悪化を防ぐのみ

研究の結果、ビタミンD3補充療法を行った群は行っていない群に比べ、診断されてから初めて症状が悪化するまでの時間を延長させる効果はなく、また上気道感染の発症を防ぐ効果はないことがわかりました。

ただし、血中ビタミンDの濃度の低い患者(血清25-ヒドロキシビタミンD濃度が50 nmol/L未満)においては中度及び重度の症状の悪化を防ぐという結果を示しています。

 

今回の研究報告から、ビタミンD補充療法が上気道感染の発症には効果がないことが示唆されていますが、医師の方はこの結果をどのように感じられるでしょうか?

 

執筆者

佐々木 康治

参考文献

Vitamin D3 supplementation in patients with chronic obstructive pulmonary disease (ViDiCO): a multicentre, double-blind, randomised controlled trial.,

Lancet Respir Med., 2015 Feb

[PMID: 25476069]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。