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ペグイントロン皮下注用150μg/0.5mL用
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ペグイントロン皮下注用150μg/0.5mL用の添付文書

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効果・効能

  1. リバビリンとの併用による次のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善

    1. 血中HCV RNA量が高値のC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善。
    2. インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者のC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善。
  2. リバビリンとの併用によるC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善。

  3. 悪性黒色腫における術後補助療法。

(効能・効果に関連する使用上の注意)

[C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変]

  1. C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、本剤はリバビリンと併用する。

  2. C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認、及び組織像又は肝予備能、血小板数等により、慢性肝炎又は代償性肝硬変であることを確認する。なお、血中HCV RNA量が高値のC型慢性肝炎に本剤を用いる場合、血中HCV RNA量がRT-PCR法で10の5乗IU/mL以上又はb-DNA法で1Meq./mL以上であることを確認する。

  3. C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、本剤の単独投与時の国内における有効性・安全性は確立していない。

    [悪性黒色腫]

  4. 悪性黒色腫における術後補助療法の場合、ステージ3の患者に投与する。

  5. 悪性黒色腫の場合、添付文書の【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行う。

用法・用量

[C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変]

  1. リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善の場合:リバビリンと併用する。ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)として1回1.5μg/kgを週1回皮下投与する。本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行う。

  2. リバビリンとの併用によるC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善の場合:リバビリンと併用する。ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)として1回1.0μg/kgを週1回皮下投与する。本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行う。

    [悪性黒色腫]

    ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)として、8週目までは1回6μg/kgを週1回、9週目以降は1回3μg/kgを週1回、皮下投与する。本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行う。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

[C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変]

  1. 本剤を添付の日本薬局方「注射用水」0.7mLに溶解したとき、溶解液0.5mL中に表示量のペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)を含有する。本剤の投与に際しては、次記を参考に、患者の体重に応じて必要量を用いる。

    1. C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
      1. 体重35~45kg:投与量60μg(使用バイアル100μg/0.5mL用)液量0.3mL。
      2. 体重46~60kg:投与量80μg(使用バイアル100μg/0.5mL用)液量0.4mL。
      3. 体重61~75kg:投与量100μg(使用バイアル100μg/0.5mL用)液量0.5mL。
      4. 体重76~90kg:投与量120μg(使用バイアル150μg/0.5mL用)液量0.4mL。
      5. 体重91~120kg:投与量150μg(使用バイアル150μg/0.5mL用)液量0.5mL。
    2. C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
      1. 体重35~45kg:投与量40μg(使用バイアル50μg/0.5mL用)液量0.4mL。
      2. 体重46~60kg:投与量50μg(使用バイアル50μg/0.5mL用)液量0.5mL。
      3. 体重61~75kg:投与量70μg(使用バイアル100μg/0.5mL用)液量0.35mL。
      4. 体重76~90kg:投与量80μg(使用バイアル100μg/0.5mL用)液量0.4mL。
      5. 体重91~120kg:投与量100μg(使用バイアル100μg/0.5mL用)液量0.5mL。
  2. 通常、次記の用法・用量のリバビリンを経口投与する。本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行う。

    1. C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
      1. 患者の体重60kg以下の場合:リバビリンの1日投与量600mg(朝食後200mg、夕食後400mg)。
      2. 患者の体重60kgを超え80kg以下の場合:リバビリンの1日投与量800mg(朝食後400mg、夕食後400mg)。
      3. 患者の体重80kgを超える場合:リバビリンの1日投与量1000mg(朝食後400mg、夕食後600mg)。
    2. C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
      1. 投与開始前のヘモグロビン濃度14g/dL以上で患者の体重60kg以下の場合:リバビリンの1日投与量600mg(朝食後200mg、夕食後400mg)。
      2. 投与開始前のヘモグロビン濃度14g/dL以上で患者の体重60kgを超え80kg以下の場合:リバビリンの1日投与量800mg(朝食後400mg、夕食後400mg)。
      3. 投与開始前のヘモグロビン濃度14g/dL以上で患者の体重80kgを超える場合:リバビリンの1日投与量1000mg(朝食後400mg、夕食後600mg)。
      4. 投与開始前のヘモグロビン濃度14g/dL未満で患者の体重60kg以下の場合:リバビリンの1日投与量400mg(朝食後200mg、夕食後200mg)。
      5. 投与開始前のヘモグロビン濃度14g/dL未満で患者の体重60kgを超え80kg以下の場合:リバビリンの1日投与量600mg(朝食後200mg、夕食後400mg)。
      6. 投与開始前のヘモグロビン濃度14g/dL未満で患者の体重80kgを超える場合:リバビリンの1日投与量800mg(朝食後400mg、夕食後400mg)。
  3. C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、本剤の投与期間は、臨床効果(HCV RNA、ALT等)及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、特に好中球数、血小板数、ヘモグロビン濃度の推移に注意し、本剤又はリバビリンの減量あるいは中止基準に従う。

    1. C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善の場合
      1. セログループ1で血中HCV RNA量が高値のC型慢性肝炎におけるウイルス血症[セログループ1(ジェノタイプ1(1a)又は2(1b))]の患者における通常の投与期間は48週間であり、臨床試験の結果より、投与中止例では有効性が低下するため、減量・休薬などの処置により可能な限り48週間投与することが望ましい。なお、セログループ1で血中HCV RNA量が高値のC型慢性肝炎におけるウイルス血症の患者で、24週間以上の投与で効果が認められない場合には投与の中止を考慮する。
      2. セログループ1で血中HCV RNA量が高値以外のC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善の患者における通常の投与期間は24週間である。
    2. C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善の場合、通常の投与期間は48週間である。なお、C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善で、24週間以上の投与で効果が認められない場合には投与の中止を考慮する。
  4. C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善の場合、本剤とリバビリンの併用投与にあたっては、次の臨床検査値を確認することが望ましい:白血球数の投与前値4000/mm3以上、好中球数の投与前値1500/mm3以上、血小板数の投与前値100000/mm3以上、ヘモグロビン濃度の投与前値12g/dL以上。C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善の場合、本剤とリバビリンの併用投与にあたっては、次の臨床検査値を確認することが望ましい:好中球数の投与前値1500/mm3以上、血小板数の投与前値70000/mm3以上、ヘモグロビン濃度の投与前値12g/dL以上。

  5. C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、投与開始前のヘモグロビン濃度が14g/dL未満、投与開始前の好中球数2000/mm3未満あるいは投与開始前の血小板数120000/mm3未満の患者、高齢者及び女性では減量を要する頻度が高くなる傾向が認められているので、投与開始から2週間は原則入院させる。

  6. C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、本剤とリバビリンの併用投与中は、定期的に血液学的検査を実施し、白血球数、好中球数、血小板数又はヘモグロビン濃度の低下が認められた場合には、次を参考に本剤又はリバビリンの用量を変更する。また、C型慢性肝炎に対し本剤とリバビリンの併用に他の抗HCV剤を併用する場合には、抗HCV剤の(用法・用量に関連する使用上の注意)を参考に本剤又はリバビリンの用量を変更する。

    1. C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
      1. C型慢性肝炎でリバビリンの併用投与中、白血球数1500/mm3未満:リバビリン;変更なし/本剤;半量に減量。
      2. C型慢性肝炎でリバビリンの併用投与中、白血球数1000/mm3未満:リバビリン;中止/本剤;中止。
      3. C型慢性肝炎でリバビリンの併用投与中、好中球数750/mm3未満:リバビリン;変更なし/本剤;半量に減量。
      4. C型慢性肝炎でリバビリンの併用投与中、好中球数500/mm3未満:リバビリン;中止/本剤;中止。
      5. C型慢性肝炎でリバビリンの併用投与中、血小板数80000/mm3未満:リバビリン;変更なし/本剤;半量に減量。
      6. C型慢性肝炎でリバビリンの併用投与中、血小板数50000/mm3未満:リバビリン;中止/本剤;中止。
      7. C型慢性肝炎(心疾患又はその既往なし)でリバビリンの併用投与中、ヘモグロビン濃度10g/dL未満:リバビリン;減量(600mg/日→400mg/日、800mg/日→600mg/日、1000mg/日→600mg/日)/本剤;変更なし。
      8. C型慢性肝炎(心疾患又はその既往なし)でリバビリンの併用投与中、ヘモグロビン濃度8.5g/dL未満:リバビリン;中止/本剤;中止。
      9. C型慢性肝炎(心疾患又はその既往あり)でリバビリンの併用投与中、ヘモグロビン濃度10g/dL未満、又は投与中に投与前値に比べヘモグロビン濃度2g/dL以上の減少が4週間持続:リバビリン;減量(600mg/日→400mg/日、800mg/日→600mg/日、1000mg/日→600mg/日)/本剤;変更なし。
      10. C型慢性肝炎(心疾患又はその既往あり)でリバビリンの併用投与中、ヘモグロビン濃度8.5g/dL未満、又は減量後4週間経過してもヘモグロビン濃度12g/dL未満:リバビリン;中止/本剤;中止。
    2. C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善

      1. C型代償性肝硬変でリバビリンの併用投与中、好中球数750/mm3未満:リバビリン;変更なし/本剤;半量に減量。
      2. C型代償性肝硬変でリバビリンの併用投与中、好中球数500/mm3未満:リバビリン;中止/本剤;中止。
      3. C型代償性肝硬変でリバビリンの併用投与中、血小板数50000/mm3未満:リバビリン;変更なし/本剤;半量に減量。
      4. C型代償性肝硬変でリバビリンの併用投与中、血小板数35000/mm3未満:リバビリン;中止/本剤;中止。
      5. 投与開始前のHb濃度が14g/dL以上のC型代償性肝硬変でリバビリンの併用投与中、ヘモグロビン濃度10g/dL未満:リバビリン;減量(600mg/日→400mg/日、800mg/日→600mg/日、1000mg/日→600mg/日)/本剤;変更なし。
      6. 投与開始前のHb濃度が14g/dL以上のC型代償性肝硬変でリバビリンの併用投与中、ヘモグロビン濃度8.5g/dL未満:リバビリン;中止/本剤;中止。
      7. 投与開始前のHb濃度が14g/dL未満のC型代償性肝硬変でリバビリンの併用投与中、ヘモグロビン濃度10g/dL未満:リバビリン;減量(400mg/日→200mg/日、600mg/日→400mg/日、800mg/日→400mg/日)/本剤;変更なし。
      8. 投与開始前のHb濃度が14g/dL未満のC型代償性肝硬変でリバビリンの併用投与中、ヘモグロビン濃度8.5g/dL未満:リバビリン;中止/本剤;中止。
      9. C型代償性肝硬変でリバビリンの併用投与中、心疾患又はその既往がある患者に投与する場合には、Hb濃度が10g/dL以上であっても投与前に比べHb濃度2g/dL以上の減少が4週間持続する場合はリバビリンの減量を考慮する。
      10. C型代償性肝硬変でリバビリンの併用投与中、心疾患又はその既往がある患者に投与する場合には、Hb濃度が8.5g/dL以上であっても減量後4週間経過してもHb濃度12g/dL未満の場合には投与中止を考慮する。

        [悪性黒色腫]

  7. 本剤を添付の日本薬局方「注射用水」0.7mLに溶解したとき、溶解液0.5mL中に表示量のペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)を含有する。本剤の投与に際しては、次記を参考に、患者の体重に応じて必要量を用いる。

    1. 体重あたりの投与量
      1. 体重25~35kg:投与量(6μg/kgの場合)180μg、(3μg/kgの場合)90μg、(2μg/kgの場合)60μg、(1μg/kgの場合)30μg。
      2. 体重36~45kg:投与量(6μg/kgの場合)240μg、(3μg/kgの場合)120μg、(2μg/kgの場合)80μg、(1μg/kgの場合)40μg。
      3. 体重46~55kg:投与量(6μg/kgの場合)300μg、(3μg/kgの場合)150μg、(2μg/kgの場合)100μg、(1μg/kgの場合)50μg。
      4. 体重56~65kg:投与量(6μg/kgの場合)360μg、(3μg/kgの場合)180μg、(2μg/kgの場合)120μg、(1μg/kgの場合)60μg。
      5. 体重66~75kg:投与量(6μg/kgの場合)420μg、(3μg/kgの場合)210μg、(2μg/kgの場合)140μg、(1μg/kgの場合)70μg。
      6. 体重76~85kg:投与量(6μg/kgの場合)480μg、(3μg/kgの場合)240μg、(2μg/kgの場合)160μg、(1μg/kgの場合)80μg。
      7. 体重86~95kg:投与量(6μg/kgの場合)540μg、(3μg/kgの場合)270μg、(2μg/kgの場合)180μg、(1μg/kgの場合)90μg。
      8. 体重96~105kg:投与量(6μg/kgの場合)600μg、(3μg/kgの場合)300μg、(2μg/kgの場合)200μg、(1μg/kgの場合)100μg。
    2. 各バイアルにおける液量あたりの投与量
      1. 液量0.1mL:投与量(150μg/0.5mL用)30μg、(100μg/0.5mL用)20μg、(50μg/0.5mL用)10μg。
      2. 液量0.2mL:投与量(150μg/0.5mL用)60μg、(100μg/0.5mL用)40μg、(50μg/0.5mL用)20μg。
      3. 液量0.3mL:投与量(150μg/0.5mL用)90μg、(100μg/0.5mL用)60μg、(50μg/0.5mL用)30μg。
      4. 液量0.4mL:投与量(150μg/0.5mL用)120μg、(100μg/0.5mL用)80μg、(50μg/0.5mL用)40μg。
      5. 液量0.5mL:投与量(150μg/0.5mL用)150μg、(100μg/0.5mL用)100μg、(50μg/0.5mL用)50μg。
  8. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止する。休薬後に投与を再開する場合には、次の目安を参考に減量する。

    1. 休薬、減量及び中止基準

      1. 悪性黒色腫で好中球数500/mm3未満の場合:500/mm3以上になるまで本剤の投与を休薬し、本剤の投与を再開する場合、投与量を1段階下げる。
      2. 悪性黒色腫で血小板数50000/mm3未満の場合:50000/mm3以上になるまで本剤の投与を休薬し、本剤の投与を再開する場合、投与量を1段階下げる。
      3. 悪性黒色腫でECOG PS2以上の場合:1以下になるまで本剤の投与を休薬し、本剤の投与を再開する場合、投与量を1段階下げる。
      4. 非血液毒性

        ①.悪性黒色腫で*非血液毒性(Grade3)の場合:Grade1以下になるまで本剤の投与を休薬し、本剤の投与を再開する場合、投与量を1段階下げる。

        ②.悪性黒色腫で*非血液毒性(Grade4)の場合:本剤の投与を中止する。

      5. 悪性黒色腫で精神神経障害(高度障害)が発現した場合:本剤の投与を中止する。

      6. 悪性黒色腫で網膜症が発現又は網膜症悪化した場合:本剤の投与を中止する。

        ECOG PS:Eastern Cooperative Oncology Group performance status。

        :CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)version4.0に準じる。

    2. 用量調節の目安

      1. 1~8週目の投与

        ①.通常投与量:6μg/kg。

        ②.1段階減量:3μg/kg。

        ③.2段階減量:2μg/kg。

        ④.3段階減量:1μg/kg。

        ⑤.4段階減量:中止。

      2. 9週目以降の投与※

        ①.通常投与量:3μg/kg。

        ②.1段階減量:2μg/kg。

        ③.2段階減量:1μg/kg。

        ④.3段階減量:中止。

        :悪性黒色腫で1~8週目に減量した場合、減量した投与量を9週目の開始投与量とする。

  9. 悪性黒色腫の場合、他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

  10. 悪性黒色腫の場合、中等度以上の腎機能障害患者では、本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため、開始投与量を含めて減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意する。

  11. 悪性黒色腫の場合、臨床試験で設定された投与期間等について、添付文書の【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で投与する。

副作用

C型慢性肝炎を対象とした国内臨床試験におけるリバビリンとの併用において、安全性評価の対象となった332例全例に副作用が認められた。主な副作用は、発熱(95.5%)、倦怠感(93.4%)、頭痛(88.6%)等であり、臨床検査値の異常は、リンパ球数減少(96.7%)、白血球数減少(95.8%)、好中球数減少(87.3%)、ヘモグロビン減少(85.5%)、赤血球数減少(79.8%)等であった(C型慢性肝炎に関する一部効能追加承認時)。

C型代償性肝硬変を対象とした国内臨床試験におけるリバビリンとの併用において、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)1.0μg/kgで投与が開始された102例全例に副作用が認められた。主な副作用は、発熱(93.1%)、倦怠感(88.2%)、頭痛(80.4%)等であり、臨床検査値の異常は、白血球数減少(91.2%)、ヘモグロビン減少(89.2%)、リンパ球数減少(87.3%)、好中球数減少(85.3%)、赤血球数減少(84.3%)、ヘマトクリット減少(80.4%)、血小板数減少(63.7%)等であった(「C型代償性肝硬変」効能追加承認時)。

ステージ2及び3の悪性黒色腫を対象とした国内臨床試験において、安全性評価の対象となった9例全例に副作用が認められた。主な副作用は、発熱(9/9例)、好中球数減少(9/9例)、白血球数減少(9/9例)、ALT(GPT)増加(8/9例)、AST(GOT)増加(8/9例)、関節痛(8/9例)、悪寒(6/9例)、倦怠感(6/9例)、血小板数減少(5/9例)、体重減少(5/9例)、筋肉痛(5/9例)等であった(「悪性黒色腫」効能追加承認時)。

ステージ3の悪性黒色腫を対象とした海外臨床試験において、安全性評価の対象となった608例全例に有害事象[本試験では有害事象と本剤の因果関係に関する情報を収集しなかったため、副作用は集計されていない]が認められた。主な有害事象は、疲労(94%)、発熱(75%)、頭痛(70%)、食欲不振(69%)、筋肉痛(68%)、悪心(64%)、悪寒(63%)、注射部位反応(62%)、うつ病(59%)、関節痛(51%)等であった(「悪性黒色腫」効能追加承認時)。

C型慢性肝炎を対象とした製造販売後調査等におけるリバビリンとの併用において、安全性評価の対象となった1,649例中1,440例(87.3%)に副作用が認められた。主な副作用は貧血(27.8%)、発熱(24.3%)、倦怠感(13.2%)、不眠症(10.6%)、そう痒症(10.4%)等であり、臨床検査値の異常は、白血球数減少(51.7%)、好中球数減少(38.8%)、ヘモグロビン減少(37.8%)、血小板数減少(37.5%)、赤血球数減少(28.7%)、ヘマトクリット減少(25.9%)等であった(「C型慢性肝炎」再審査終了時)。

次の副作用のうち、海外報告又はインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)とリバビリンの併用により発現した副作用については頻度不明とした[頻度はC型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の効能・効果(リバビリン併用)における頻度である。なお、悪性黒色腫における副作用としての頻度は、海外臨床試験では有害事象と本剤の因果関係の情報を収集しておらず、すべて頻度不明である]。

  1. 重大な副作用

    1. 間質性肺炎(1%未満)、肺線維症、肺水腫(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状、また、胸部X線異常が現れた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。また、咳嗽、呼吸困難等が現れた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与える。なお、他のインターフェロン アルファ製剤において、間質性肺炎は小柴胡湯との併用例で多く報告されているため、併用を避ける。
    2. 抑うつ・うつ病(5~10%未満)、自殺企図、躁状態(1%未満)、攻撃的行動(頻度不明):観察を十分に行い、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等が現れた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
    3. 貧血(貧血は主に溶血性貧血)[赤血球減少(250万/mm3未満)(1~5%未満)、ヘモグロビン減少(8g/dL未満)(1%未満)、ヘモグロビン減少(8以上9.5g/dL未満)(10%以上)、ヘモグロビン減少(9.5以上11g/dL未満)(10%以上)]:定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    4. 無顆粒球症(頻度不明)、白血球減少(2000/mm3未満)(10%以上)、顆粒球減少(1000/mm3未満)(61.9%):定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    5. 血小板減少(50000/mm3未満)(1~5%未満):定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    6. 再生不良性貧血、汎血球減少(頻度不明):骨髄機能の抑制による再生不良性貧血の発現を含む高度血球減少が報告されているので、定期的に臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、(用法・用量に関連する使用上の注意)の項を参照の上、減量又は中止等の処置を行う。
    7. 意識障害、失神(1~5%未満)、見当識障害、難聴(1%未満)、痙攣、譫妄、錯乱、幻覚、妄想、昏迷、統合失調症様症状、興奮(頻度不明):観察を十分に行い、異常が現れた場合には、投与継続の可否について検討し、症状の激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止し、適切な処置を行う、認知症様症状(特に高齢者)(頻度不明):観察を十分に行い、異常が現れた場合には、投与継続の可否について検討し、症状の激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    8. 自己免疫現象(頻度不明):自己免疫現象によると思われる症状・徴候[甲状腺機能異常増悪又は甲状腺機能異常の発症、肝炎増悪又は肝炎の発症、溶血性貧血増悪又は溶血性貧血の発症、特発性血小板減少性紫斑病増悪(ITP増悪)又は特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の発症、潰瘍性大腸炎増悪又は潰瘍性大腸炎の発症、関節リウマチ増悪又は関節リウマチの発症、乾癬増悪又は乾癬の発症、全身性エリテマトーデス増悪又は全身性エリテマトーデスの発症、血管炎増悪又は血管炎の発症、フォークト・小柳・原田病増悪又はフォークト・小柳・原田病の発症、糖尿病(1型)増悪又は糖尿病(1型)の発症等]が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
    9. 溶血性尿毒症症候群(HUS)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(頻度不明):血小板減少、貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群(HUS)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)が現れることがあるので、定期的に血液検査(血小板数、赤血球数、末梢血液像等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    10. 糖尿病(1型糖尿病及び2型糖尿病)(1%未満):糖尿病増悪又は発症することがあり、糖尿病性ケトアシドーシス、昏睡に至ることがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
    11. 重篤な肝障害(1%未満):定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、黄疸や著しいトランスアミナーゼ上昇を伴う肝障害が現れた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行う。
    12. 急性腎障害等の重篤な腎障害(頻度不明):定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    13. ショック(頻度不明):観察を十分に行い、不快感、口内異常、喘鳴、眩暈、便意、発汗、血圧下降等が現れた場合には投与を直ちに中止する。
    14. 心筋症、心不全、心筋梗塞、狭心症(頻度不明):定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、これら疾患等の心筋障害が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    15. 不整脈(1~5%未満):心室性不整脈、高度房室ブロック、洞停止、高度徐脈、心房細動等が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    16. 消化管出血(下血、血便等)(1~5%未満)、消化性潰瘍、小腸潰瘍、虚血性大腸炎(1%未満):観察を十分に行い、異常が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    17. 呼吸困難(10%以上)、喀痰増加(5~10%未満):観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    18. 脳出血(1%未満):脳出血が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    19. 脳梗塞(1%未満):脳梗塞が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    20. 敗血症(1%未満):易感染性となり、感染症及び感染症増悪を誘発し敗血症に至ることがあるので、患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    21. 網膜症(1~5%未満):網膜症が現れることがあるので、網膜出血、軟性白斑及び糖尿病網膜症増悪に注意し、定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。また、視力低下、視野中の暗点が認められた場合は速やかに医師の診察を受けるよう患者を指導する。
    22. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群等の重篤な皮膚障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    23. 横紋筋融解症(頻度不明):横紋筋融解症が現れることがあるので、脱力感、筋肉痛、CK上昇(CPK上昇)等に注意し、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、休薬、投与中止等の適切な処置を行う。

    1. 全身症状:(5%以上)発熱(94.9%)、倦怠感(91.4%)、悪寒、(5%未満)インフルエンザ様症状。
    2. 精神・神経系:(5%以上)頭痛(86.5%)、不眠(58.5%)、眩暈、易刺激性、耳鳴、(5%未満)異常感、気力低下、健忘、耳閉、不安、眠気、知覚過敏・知覚減退、聴覚過敏、片頭痛、感情不安定、気分不快、感情鈍麻、神経過敏、構語障害、注意力障害、(頻度不明)激越。
    3. 血液:(5%以上)リンパ球数減少(94.4%)、白血球数減少(94.6%)、好中球数減少(87.4%)、ヘモグロビン減少(85.9%)、赤血球数減少(80.9%)、ヘマトクリット減少(79.0%)、網状赤血球数増多(67.9%)、血小板数減少(51.2%)、貧血、リンパ球数増多、好酸球数増多、好中球数増多、好塩基球数増多、単球数増多、網状赤血球数減少、(5%未満)赤血球数増多、白血球数増多。
    4. 肝臓:(5%以上)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇、(5%未満)黄疸、脂肪肝、胆石症、胆嚢ポリープ、Al-P上昇、AFP増加、PIVKA2上昇、4型コラーゲン値上昇、(頻度不明)ZTT上昇。
    5. 腎臓:(5%未満)血尿、排尿障害、蛋白尿、BUN上昇・クレアチニン上昇、腎結石、膀胱炎、頻尿。
    6. 循環器:(5%以上)胸痛、血圧上昇、潮紅、頻脈、浮腫(四肢浮腫・顔面浮腫)、(5%未満)末梢性虚血、血圧低下、蒼白、(頻度不明)血管浮腫、房室ブロック。
    7. 消化器:(5%以上)食欲不振(75.6%)、悪心・嘔吐、腹痛、胃不快感、下痢、口渇、口内炎・口唇炎、歯髄炎・歯周炎・歯肉炎、消化不良、腹部不快感、腹部膨満感、便秘、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇、(5%未満)胃炎、腸炎、腸管機能異常、排便障害、痔核、鼓腸放屁、口腔内不快感、歯異常、歯痛、う歯、おくび、口内乾燥、舌炎、肛門周囲炎、嚥下障害、逆流性食道炎、消化管ポリープ、食道静脈瘤、(頻度不明)*膵炎[*:腹痛、血清アミラーゼ値上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う]、舌色素沈着。
    8. 皮膚:(5%以上)脱毛(61.9%)、発疹(50.7%)、皮膚そう痒、皮膚白癬、紅斑、湿疹、皮膚乾燥、(5%未満)皮膚潰瘍、皮膚炎、紫斑、接触性皮膚炎、蕁麻疹、皮膚過角化、爪異常、多形紅斑、落屑、ざ瘡、汗疱、(頻度不明)光線過敏症、皮膚刺激、毛質異常、皮膚水疱。
    9. 神経・筋:(5%以上)関節痛(69.4%)、筋肉痛(64.7%)、感覚異常、筋痙直、背部痛・腰部痛、(5%未満)ニューロパシー、振戦、筋硬直、関節炎、頚部痛、腫脹、神経痛、肋骨痛、疼痛、四肢痛、無力症、四肢不快感、麻痺(四肢麻痺・顔面麻痺)、筋力低下、重感、(頻度不明)CK上昇(CPK上昇)。
    10. 呼吸器:(5%以上)上気道炎、咳嗽、鼻出血、鼻漏、(5%未満)肺炎、咽頭紅斑、咽頭腫脹、扁桃炎、気管支炎、鼻炎、副鼻腔炎、鼻乾燥、鼻閉、鼻道刺激感、嗄声、くしゃみ、あくび、血痰、(頻度不明)肺浸潤、胸水。
    11. :(5%以上)網膜出血、網膜滲出物、角膜炎・結膜炎、霧視、(5%未満)網膜動脈閉塞・網膜静脈閉塞、網膜裂孔、視野欠損、眼瞼炎、眼瞼紅斑、眼瞼浮腫、視覚異常、視力低下、硝子体浮遊物、麦粒腫、羞明、眼充血、眼違和感、眼そう痒症、眼精疲労、眼痛、(頻度不明)視力喪失、網膜白斑、黄斑浮腫、乳頭浮腫、視神経炎、流涙。
    12. 投与部位:(5%以上)注射部位反応(紅斑、そう痒、発疹、疼痛)、(5%未満)注射部位反応(腫脹、炎症、硬結、出血、皮膚炎、熱感、色素沈着、潰瘍)、(頻度不明)注射部位反応(壊死)。
    13. その他:(5%以上)甲状腺機能異常、CRP上昇、感染症、味覚障害、体重減少、疲労、多汗、ヒアルロン酸増加、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、電解質異常(カリウム異常、ナトリウム異常、クロル異常、カルシウム異常、リン異常等)、(5%未満)リンパ節炎、帯状疱疹、単純疱疹、血中コレステロール増加、高蛋白血症、低アルブミン血症、処置後局所反応、創傷治癒遅延、中耳炎、外耳炎、耳痛、嗅覚異常、月経異常、前立腺炎、冷汗、花粉症、低蛋白血症、血中コレステロール減少、不正出血、脱水、膿瘍、*悪性リンパ腫、*食道癌[*:国内臨床試験において発現が認められているが、因果関係が明確なものではない]、ヘモグロビンA1c減少、脾腫、膣炎、高血糖、(頻度不明)サルコイドーシス、自己抗体産生、性欲減退、鉄代謝障害、尿糖、勃起障害、痛風、腹水、※膀胱癌、※大腸癌[※:インターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)とリバビリンの併用において発現が認められているが、因果関係が明確なものではない]。

使用上の注意

(警告)

本剤の投与により間質性肺炎、自殺企図が現れることがあるので、【使用上の注意】に十分留意し、患者に対し副作用発現の可能性について十分説明する。

(禁忌)

  1. 本剤又は他のインターフェロン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

  2. ワクチン等生物学的製剤に対して過敏症の既往歴のある患者。

  3. 小柴胡湯投与中の患者。

  4. 自己免疫性肝炎の患者[自己免疫性肝炎が悪化することがある]。

  5. 非代償性肝疾患の患者。

(慎重投与)

  1. C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、投与開始前のヘモグロビン濃度が14g/dL未満、投与開始前の好中球数2000/mm3未満あるいは投与開始前の血小板数120000/mm3未満の患者及び女性[減量を要する頻度が高くなる傾向が認められている]。

  2. 中枢・精神神経障害又はその既往歴のある患者[中枢・精神神経症状が悪化又は再燃することがある]。

  3. 高度白血球減少、高度好中球減少又は高度血小板減少のある患者[白血球減少、好中球減少又は血小板減少が更に悪化することがあり、感染症又は出血傾向を来しやすい]。

  4. 心疾患又はその既往歴のある患者[心疾患が悪化することがある]。

  5. 重篤な肝障害のある患者[肝障害が悪化する恐れがある]。

  6. 慢性腎不全又はクレアチニンクリアランスが50mL/分以下の腎機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇することがある]。

  7. 自己免疫疾患の患者又は自己免疫疾患素因のある患者[疾患が悪化又は顕性化することがある]。

  8. 甲状腺機能異常又はその既往歴のある患者[甲状腺機能異常が悪化することがある]。

  9. アレルギー素因のある患者。

  10. 高血圧症の患者[脳血管障害が起こる恐れがある]。

  11. 糖尿病又はその既往歴、家族歴のある患者、耐糖能障害のある患者[糖尿病が悪化又は発症する恐れがある]。

  12. 高齢者。

  13. 痙攣発作のある患者[他のインターフェロン製剤で、症状が悪化することが報告されている]。

  14. 間質性肺炎の既往歴のある患者[間質性肺炎が増悪又は再発することがある]。

(重要な基本的注意)

[C型慢性肝炎、C型代償性肝硬変及び悪性黒色腫共通]

  1. 本剤の投与初期において、一般に発熱がみられる(その程度は個人差が著しいが、高熱を呈する場合もあるので、電解質を含む水分補給等、発熱に対してあらかじめ十分配慮する)。

  2. 骨髄機能抑制、肝機能障害、甲状腺機能障害等が現れることがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に臨床検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬、中止等の適切な処置を行う。

  3. 本剤は週1回投与であり持続的な体内動態を示すため、重大な副作用の項に記載した症状が現れた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導する。

  4. 過敏症等の反応を予測するため十分な問診を行うとともに、あらかじめ本剤によるプリック試験又は皮内反応試験を行うことが望ましい。

  5. 眩暈、錯乱、傾眠、疲労を発現することがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転、機械の操作になるべく従事させないよう注意する。

  6. 間質性肺炎が現れることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施する。特に、間質性肺炎の既往歴のある患者に使用するにあたっては、定期的に聴診、胸部X線等の検査を行うなど、十分に注意する。

  7. 抑うつ、自殺企図が現れることがあり、また、躁状態、攻撃的行動が現れ、他害行為に至ることがあるので、患者の精神状態に十分注意し、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等が現れた場合には投与を中止するなど、投与継続の可否について慎重に検討し、また、これらの症状が認められた場合には、投与終了後も観察を継続することが望ましい。

  8. 本剤の投与にあたっては、抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状が現れた場合には直ちに連絡するよう注意を与える。

    [C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変]

  9. C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、ヘモグロビン濃度、白血球数、好中球数及び血小板数の検査は投与前及び投与開始後8週間は毎週、その後は4週間に1度実施し、また、生化学的検査は4週間に1度、甲状腺機能検査は12週間に1度実施する。特にC型代償性肝硬変においては、C型慢性肝炎と比べ、血球系低下が多く認められる恐れがあるので、十分注意する。

  10. C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、本剤の投与は、リバビリンとの併用のため、リバビリンの添付文書に記載されている警告、禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、重大な副作用等の【使用上の注意】を必ず確認し、特に警告の避妊に関連する注意については、その指示を徹底する。なお、C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、本剤とリバビリンの併用に他の抗HCV剤を併用する場合には、抗HCV剤の添付文書の【使用上の注意】を必ず確認する。

  11. C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変の場合、本剤を48週を超えて投与した場合の安全性・有効性は確立していない。

  12. C型代償性肝硬変患者に対するリバビリンとの併用による治療は、ウイルス血症の改善を目的としたものであり、肝硬変を治療するものではないため、本併用療法によりウイルス学的効果が得られた場合であっても、肝硬変に対する適切な処置を行う。

    [悪性黒色腫]

    悪性黒色腫における術後補助療法の場合、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用する。

(相互作用)

ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)はCYP1A2及びCYP2D6を阻害する。

  1. 併用禁忌:小柴胡湯(ツムラ小柴胡湯、クラシエ小柴胡湯等)[他のインターフェロン アルファ製剤との併用で間質性肺炎が報告されている(作用機序は不明であるが、間質性肺炎の発現例には小柴胡湯との併用例が多い)]。

  2. 併用注意

    1. CYP1A2の基質(テオフィリン、チザニジン等)[CYP1A2の基質と併用する場合、これらの薬剤の血中濃度が上昇する恐れがある(本剤のCYP1A2阻害作用によりこれらの薬剤の代謝が抑制される)]。
    2. CYP2D6の基質(メトプロロール、アミトリプチリン等)[CYP2D6の基質と併用する場合、これらの薬剤の血中濃度が上昇する恐れがある(本剤のCYP2D6阻害作用によりこれらの薬剤の代謝が抑制される)]。
    3. アンチピリン、ワルファリン[他のインターフェロン製剤との併用で併用薬剤の血中濃度が高まることが報告されているので注意する(肝臓での各種医薬品の代謝を抑制することがある)]。
    4. ジドブジン[他のインターフェロン製剤との併用で骨髄機能抑制作用が増強され、他のインターフェロン製剤との併用で白血球減少等の血球減少が増悪することがある(作用機序は不明であるが、ともに骨髄機能抑制作用を有するためと考えられている)]。
    5. 免疫抑制療法[移植患者(腎移植・骨髄移植等)における他のインターフェロン製剤との併用で免疫抑制療法の効果が弱まることがある(移植片に対する拒絶反応が誘発されると考えられている)]。

(高齢者への投与)

高齢者では一般的に生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。なお、C型慢性肝炎を対象とした国内臨床試験において、C型慢性肝炎の高齢者では、高度臨床検査値異常等の発現頻度及び減量を要する頻度が高くなる傾向が認められているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与し、必要に応じて減量、休薬、投与中止等の適切な処置を行う。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

[C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変]

本剤はリバビリンと併用するため、次の点に注意する。

  1. 本剤はリバビリンと併用するため、C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変で妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[妊娠アカゲザルにインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)の750、1500、3000万国際単位/kg/日を投与したところ、1500万国際単位/kg/日以上で流産の有意な増加が認められており、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)においても同様に流産の可能性が否定できないためで、リバビリンにおいて、動物試験で催奇形性作用(ラット及びウサギ:1mg/kg/日)及び胚・胎仔致死作用(ラット:10mg/kg/日)が認められている]。

  2. 本剤はリバビリンと併用するため、C型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変で授乳中の婦人には、投与を避け、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせる[インターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)及びリバビリンの動物試験(ラット)で乳汁中への移行が認められている]。

    [悪性黒色腫]

  3. 悪性黒色腫で妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠アカゲザルにインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)の750、1500、3000万国際単位/kg/日を投与したところ、1500万国際単位/kg/日以上で流産の有意な増加が認められており、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)においても同様に流産の可能性が否定できないため]。

  4. 悪性黒色腫で授乳中の婦人には、投与を避け、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせる[インターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)の動物試験(ラット)で乳汁中への移行が認められている]。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない[使用経験がない]。

(適用上の注意)

  1. 投与経路:本剤は皮下注射にのみ使用する。

  2. 次の手順に従い調製を行う。

    1. 調製方法:添付の日本薬局方「注射用水」0.7mLを泡立てないように添加し、澄明になるまで静かに円を描くように回して十分に溶解させ(振り混ぜない)、しばらく静置して消泡した後、必要量を抜き取る。1バイアルあたり投与できる最大の液量は0.5mLである。
    2. 用時調製し、溶解後は速やかに使用する(なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも2~8℃で保存し、24時間以内に使用し、また残液は廃棄する)。
    3. 凍結乾燥製剤と溶解液を混和した際、溶液が変色していたり、浮遊物がある場合には使用しない。
  3. 投与時

    1. 注射部位は上腕・大腿・腹部・臀部等の皮下とする。注射部位反応(注射部位紅斑、注射部位そう痒等)が報告されているので、同一部位への反復注射は行わない。
    2. 注射針を刺入したとき激痛を訴えたり、血液の逆流を見た場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射する。

(その他の注意)

本剤に対する中和抗体が出現することがある(海外臨床試験)。

(保管上の注意)

凍結を避け、2~8℃に保存。