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ビケンCAM

ビケンCAMの添付文書

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効果・効能

麻しんの予防。

用法・用量

本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解し、その0.5mLを1回皮下に注射する。

(用法及び用量に関連する接種上の注意)

  1. 接種対象者

    1. 定期の予防接種
      1. 第1期の予防接種対象者:生後12月から24月に至るまでの間にある者。
      2. 第2期の予防接種対象者:5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者(小学校就学前の1年間にある者)。
    2. 任意の予防接種:任意接種として、性、年齢に関係なく接種できる。
  2. 輸血及びガンマグロブリン製剤投与との関係:輸血の投与を受けた又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、通常、3カ月以上間隔を置いて本剤を接種する。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法において200mg/kg以上投与を受けた者は、6カ月以上間隔を置いて本剤を接種する。

  3. 他のワクチン製剤との接種間隔:他の生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種するが、但し、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる。また、不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種するが、但し、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。

副作用

  1. 重大な副反応

    1. ショック、アナフィラキシー(0.1%未満):ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)が現れることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
    2. 血小板減少性紫斑病:血小板減少性紫斑病が現れることがあり(100万人接種あたり1人程度)、通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等が現れるので、本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行う。
    3. 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(頻度不明):急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が現れることがあり、通常、接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、痙攣、運動障害、意識障害等が現れるので、本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行う。
    4. 脳炎・脳症:脳炎・脳症が現れることがあるので(100万人接種あたり1人以下)、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行う。
    5. 痙攣(0.1~5%未満):熱性痙攣を起こすことがある。異常が認められた場合には適切な処置を行う。
  2. その他の副反応

    1. 過敏症:接種直後から翌日に発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱等が現れることがある。
    2. 全身症状:麻しんに対して免疫のない健康児に本剤を接種すると、5~14日後、1~3日間のだるさ、不機嫌、発熱、発疹等が現れることがある。特に、7~12日を中心として20~30%程度に37.5℃以上の発熱、数%に38.5℃以上の発熱がみられる。被接種者のうち10~20%に軽度の麻しん様発疹を伴うことがある。発熱時に、咳、鼻汁が出て、食欲が減退するものもあるが、これらの症状は、いずれも通常1~3日で消失する。
    3. 局所症状:発赤、腫脹、硬結、疼痛等が接種部位に現れることがある。

使用上の注意

(接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者))

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。

  1. 明らかな発熱を呈している者。

  2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。

  3. 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者。

  4. 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制を来す治療中の者。

  5. 妊娠していることが明らかな者。

  6. 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。

(接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者))

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種する。

  1. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者。

  2. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。

  3. 過去に痙攣の既往のある者。

  4. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者。

  5. 本剤の成分に対してアレルギーを呈する恐れのある者。

(重要な基本的注意)

  1. 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用する。

  2. 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べる。

  3. 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種直後及び5~14日の間の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、更に高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせる。

(相互作用)

  1. 併用禁忌:副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等)、免疫抑制剤(シクロスポリン(サンディミュン)、タクロリムス(プログラフ)、アザチオプリン(イムラン)等)[本生ワクチン接種により、次記機序で麻しん様症状が現れる恐れがあるので接種しない(免疫機能抑制下で本剤を接種すると、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある;免疫抑制的な作用を持つ薬剤の投与中の者、特に免疫抑制的な作用を持つ薬剤の長期投与中あるいは免疫抑制的な作用を持つ薬剤の大量投与中の者、又は免疫抑制的な作用を持つ薬剤投与中止後6カ月以内の者)]。

  2. 併用注意

    1. 輸血及びガンマグロブリン製剤投与との関係:本剤を輸血の投与を受けた及びガンマグロブリン製剤の投与を受けた者に接種した場合、輸血及びガンマグロブリン製剤中に麻しん抗体が含まれると、ワクチンウイルスが中和されて増殖の抑制が起こり、本剤の効果が得られない恐れがある(接種前3カ月以内に輸血の投与を受けた又は接種前3カ月以内にガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、3カ月以上すぎるまで本剤の接種を延期する)。また、ガンマグロブリン製剤の大量(200mg/kg以上)療法を受けた、すなわち川崎病の治療を受けた者、特発性血小板減少性紫斑病の治療を受けた(ITPの治療を受けた)者は、6カ月以上(麻しん感染の危険性が低い場合は11カ月以上)すぎるまで接種を延期する。本剤接種後14日以内にガンマグロブリン製剤を投与した場合は、投与後3カ月以上経過した後に本剤を再接種することが望ましい。
    2. ツベルクリン反応検査との関係:本剤接種後、細胞性免疫の抑制が起こり接種後1カ月以内はツベルクリン反応が弱くなることがある。
    3. 他の生ワクチン製剤接種との関係:他の生ワクチン(経口生ポリオワクチン、風しんワクチン、おたふくかぜワクチン、水痘ワクチン、BCGワクチン、黄熱ワクチン等)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず免疫が獲得できない恐れがあるので、他の生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種する。

(接種時の注意)

  1. 接種時

    1. 接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用いる。
    2. 本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤で均一に溶解して、所要量を注射器内に吸引する。この操作に当たっては雑菌が迷入しないよう注意する。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用してはならない。
    3. 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめる。
    4. 注射針及び注射筒は、被接種者ごとに取り替えなければならない。
  2. 接種部位:接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。

(取扱い上の注意)

  1. 接種前

    1. 溶解時に内容をよく調べ、沈殿及び異物の混入、その他異常を認めたものは使用しない。
    2. 本剤のウイルスは日光に弱く、速やかに不活化されるので、溶解の前後にかかわらず光が当たらないよう注意する。
  2. 接種時:本剤の溶解は接種直前に行い、一度溶解したものは直ちに使用する。

(保管上の注意)

遮光して、5℃以下に保存。