処方薬
アプテシンカプセル150mg
後発

アプテシンカプセル150mgの添付文書

添付文書PDFファイル

PDFファイルを開く

※添付文書のPDFファイルは随時更新しておりますが、常に最新であるとは限りません。予めご了承ください。

効果・効能

肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス症(MAC症)を含む非結核性抗酸菌症、ハンセン病。

用法・用量

  1. 肺結核及びその他の結核症:リファンピシンとして1回450mg(力価)を1日1回毎日経口投与する。但し、感性併用剤のある場合は週2日投与でもよい。原則として朝食前空腹時投与とし、年齢、症状により適宜増減する。また、肺結核及びその他の結核症の場合、他の抗結核剤との併用が望ましい。

  2. MAC症を含む非結核性抗酸菌症:リファンピシンとして1回450mg(力価)を1日1回毎日経口投与する。原則として朝食前空腹時投与とし、年齢、症状、体重により適宜増減するが、1日最大量は600mg(力価)を超えない。

  3. ハンセン病:リファンピシンとして1回600mg(力価)を1カ月に1~2回又は1回450mg(力価)を1日1回毎日経口投与する。原則として朝食前空腹時投与とし、年齢、症状により適宜増減する。また、ハンセン病の場合、他の抗ハンセン病剤と併用する。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

  1. 肺結核及びその他の結核症に対する本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめる。

  2. 本剤をMAC症を含む非結核性抗酸菌症に使用する際には、投与開始時期、投与期間、併用薬等について国内外の各種学会ガイドライン等、最新の情報を参考にし、投与する。

副作用

肺結核及びその他の結核症:本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

ハンセン病:ハンセン病患者を対象にした使用成績調査においてリファンピシンは本剤を含み5製剤使用された。118例中報告された副作用は22.9%(27例)で、主な副作用は胃不快感、嘔吐等の胃腸障害5.1%(6例)であった(再審査終了時)。

  1. 重大な副作用(頻度不明):次記の重大な副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

    1. 劇症肝炎等の重篤な肝障害(定期的に肝機能検査を行う)。
    2. ショック、アナフィラキシー(初期症状:悪寒、顔面潮紅、呼吸困難等):アレルギー性と考えられており、特に間欠投与時又は投与を一時中止し再投与する場合に起こりやすいので注意する。
    3. 腎不全、間質性腎炎:アレルギー性と考えられており、特に間欠投与時又は投与を一時中止し再投与する場合に起こりやすいので注意する、ネフローゼ症候群。
    4. 溶血性貧血:アレルギー性と考えられており、特に間欠投与時又は投与を一時中止し再投与する場合に起こりやすいので注意する。
    5. 無顆粒球症、血小板減少。
    6. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(症状:腹痛、頻回の下痢等)。
    7. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、扁平苔癬型皮疹、天疱瘡様皮疹及び類天疱瘡様皮疹、紅皮症(剥脱性皮膚炎)。
    8. 間質性肺炎。
  2. その他の副作用:次記の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行う。

    1. 肝臓:(0.1~5%未満)黄疸、AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等。
    2. 過敏症:(0.1~5%未満)発疹等、(頻度不明)発熱等のかぜ様症候群、蕁麻疹等[特に間欠投与時又は投与を一時中止し再投与する場合には、このような症状が起こりやすいので注意する]。
    3. 腎臓:(0.1~5%未満)尿蛋白等、(頻度不明)血尿等。
    4. 血液:(0.1~5%未満)顆粒球減少、出血傾向、好酸球増多等。
    5. 消化器:(5%以上)胃腸障害(食欲不振、悪心、嘔吐、胃痛、下痢、胃不快感等)、(頻度不明)出血性糜爛性胃炎。
    6. 精神神経系:(0.1~5%未満)不眠、頭痛、眩暈、(頻度不明)いらいら感、傾眠、錯乱。
    7. 内分泌:(頻度不明)月経異常、甲状腺機能低下症、副腎機能不全。
    8. その他:(0.1~5%未満)全身倦怠感、しびれ感、(頻度不明)筋脱力、手指のこわばり、浮腫、運動失調、*尿着色・*便着色等[*:尿、便、唾液、痰、汗、涙液がリファンピシン及びその代謝物により橙赤色等に着色する(なお、血清も同様の着色を示す)。また、ソフトコンタクトレンズが変色することもある]。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 胆道閉塞症又は重篤な肝障害のある患者[症状が悪化する恐れがある]。

  2. タダラフィル(アドシルカ)投与中、マシテンタン投与中、チカグレロル投与中、ボリコナゾール投与中、HIV感染症治療薬投与中(インジナビル硫酸塩エタノール付加物投与中、サキナビルメシル酸塩投与中、ネルフィナビルメシル酸塩投与中、ホスアンプレナビルカルシウム水和物投与中、アタザナビル硫酸塩投与中、リルピビリン塩酸塩投与中、エルビテグラビル含有製剤投与中又はコビシスタット含有製剤投与中)、テラプレビル投与中、シメプレビルナトリウム投与中、ダクラタスビル塩酸塩投与中、アスナプレビル投与中、バニプレビル投与中、ソホスブビル投与中、レジパスビル アセトン付加物・ソホスブビル投与中、オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル投与中、エルバスビル投与中、グラゾプレビル水和物投与中又はプラジカンテル投与中の患者。

  3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(慎重投与)

  1. 過敏症の既往歴のある患者。

  2. 間欠投与又は投与を一時中止し再投与する場合[このような場合にはアレルギー性の副作用が現れやすい]。

  3. 副腎皮質不全のある患者[副腎(急性)クリーゼを誘発することがある]。

  4. 慢性甲状腺炎のある患者[甲状腺機能低下症増悪又は甲状腺機能低下症を顕在化させることがある]。

  5. 肝障害又はその既往歴のある患者[症状が悪化又は再発する恐れがある]。

(重要な基本的注意)

  1. 他の抗結核薬との併用により、重篤な肝障害が現れることがあるので、併用する場合は定期的に肝機能検査を行う。

  2. ハンセン病への使用にあたっては、「ハンセン病診断・治療指針」(厚生省・(財)藤楓協会発行)を参考に治療を行うことが望ましい。

  3. ハンセン病の治療にあたっては、本剤による治療についての科学的データの蓄積が少ないことを含め、患者に十分な説明を行い、インフォームド・コンセントを得る。

(相互作用)

本剤はチトクロームP450・3A4(CYP3A4)をはじめとする肝薬物代謝酵素、P糖蛋白を誘導する作用がある。本剤は多くの薬剤との相互作用が報告されているが、可能性のあるすべての組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤と併用する場合には注意する。

  1. 併用禁忌

    1. 循環器官用薬
      1. タダラフィル(アドシルカ)[タダラフィルの作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、本剤(600mg/日)の併用で、タダラフィル(10mg)のCmax及びAUCをそれぞれ46%及び88%低下させると考えられている)]。
      2. マシテンタン(オプスミット)[マシテンタンの作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、マシテンタンの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    2. 血液・体液用剤:チカグレロル(ブリリンタ)[チカグレロルの作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、チカグレロルの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    3. 抗真菌剤:ボリコナゾール(ブイフェンド)[ボリコナゾールの作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、ボリコナゾールのCmax及びAUCをそれぞれ93%及び96%低下させると考えられている)]。
    4. 抗ウイルス剤

      1. HIV感染症治療薬

        ①.HIV感染症治療薬(インジナビル硫酸塩エタノール付加物(クリキシバン)、サキナビルメシル酸塩(インビラーゼ)、ネルフィナビルメシル酸塩(ビラセプト)、ホスアンプレナビルカルシウム水和物(レクシヴァ)、アタザナビル硫酸塩(レイアタッツ))[これらの薬剤の作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、これらの薬剤又は活性代謝物の代謝を促進し、血中濃度を1/5以下に低下させると考えられている)]。

        ②.HIV感染症治療薬(リルピビリン塩酸塩(エジュラント、コムプレラ))[これらの薬剤の作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、リルピビリン塩酸塩の代謝を促進し、Cmin、Cmax及びAUC24をそれぞれ89%、69%及び80%低下させると考えられている)]。

        ③.HIV感染症治療薬(エルビテグラビルを含有する製剤又はコビシスタットを含有する製剤(スタリビルド))[これらの薬剤の作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、エルビテグラビル及びコビシスタットの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

      2. テラプレビル(テラビック)[テラプレビルの作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、テラプレビルの代謝を促進し、AUCを92%低下させると考えられている)]。

      3. シメプレビルナトリウム(ソブリアード)[シメプレビルナトリウムの作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、シメプレビルナトリウムの代謝を促進し、Cmin及びAUCをそれぞれ92%及び48%低下させると考えられている)]。

      4. ダクラタスビル塩酸塩(ダクルインザ)[ダクラタスビル塩酸塩の作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、ダクラタスビル塩酸塩の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

      5. アスナプレビル(スンベプラ)[アスナプレビルの作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、アスナプレビルの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

      6. バニプレビル(バニヘップ)[バニプレビルとの併用初期に、バニプレビルの血中濃度が上昇する恐れがある(有機アニオントランスポーター(OATP1B1及びOATP1B3)を介したバニプレビルの肝臓への取り込みを阻害すると考えられている)、また、併用継続により、バニプレビルの血中濃度が併用初期よりも低下する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、バニプレビルの代謝が促進されると考えられている)]。

      7. ソホスブビル(ソバルディ)[ソホスブビルの作用が減弱する恐れがある(本剤のP糖蛋白誘導作用によるものと考えられている)]。

      8. レジパスビル アセトン付加物・ソホスブビル(ハーボニー)[レジパスビル アセトン付加物及びソホスブビルの作用が減弱する恐れがある(本剤のP糖蛋白誘導作用によるものと考えられている)]。

      9. オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル(ヴィキラックス)[パリタプレビル水和物及びリトナビルの作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、パリタプレビル水和物及びリトナビルの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

      10. エルバスビル(エレルサ)[エルバスビルの作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、エルバスビルの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

      11. グラゾプレビル水和物(グラジナ)[グラゾプレビル水和物との併用初期にグラゾプレビルの血中濃度が上昇する恐れがある(本剤が肝臓有機アニオントランスポーター(OATP1B)を阻害すると考えられている)、また、併用継続により、グラゾプレビルの血中濃度が低下する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、グラゾプレビルの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

    5. 駆虫剤:プラジカンテル(ビルトリシド)[プラジカンテルの作用が減弱する恐れがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、プラジカンテルの代謝を促進し、血中濃度を約100%低下させると考えられている)]。

  2. 併用注意

    1. 催眠鎮静剤、抗不安剤:ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、ミダゾラム、トリアゾラム等)、不眠症治療薬(ゾルピデム酒石酸塩、ゾピクロン)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    2. 抗てんかん剤
      1. 抗てんかん剤:フェニトイン、カルバマゼピン等[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
      2. 抗てんかん剤:ラモトリギン[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤のUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)誘導作用によるものと考えられている)]。
    3. 解熱鎮痛消炎剤
      1. アセトアミノフェン[本剤の長期投与により、肝薬物代謝酵素が誘導され、肝障害を生じやすくなるとの報告がある(本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンの代謝を促進し、肝毒性を有する代謝物の産生を増加させると考えられている)]。
      2. ブプレノルフィン塩酸塩[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、ブプレノルフィン塩酸塩の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    4. 抗パーキンソン剤:イストラデフィリン[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    5. 精神神経用剤:ハロペリドール、ブロムペリドール、オランザピン、クエチアピンフマル酸塩、クロザピン、ノルトリプチリン塩酸塩、ミルタザピン等[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    6. 中枢神経系用薬:ドネペジル塩酸塩、スボレキサント[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    7. 鎮けい剤:チザニジン塩酸塩[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    8. 強心剤:ジギタリス製剤[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)及びP糖蛋白誘導作用によるものと考えられている)]。
    9. 不整脈用剤:キニジン硫酸塩水和物、メキシレチン塩酸塩、ジソピラミド、プロパフェノン塩酸塩、ピルシカイニド塩酸塩水和物、β遮断剤(メトプロロール酒石酸塩、プロプラノロール塩酸塩等)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    10. 利尿剤:トルバプタン[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    11. 血圧降下剤
      1. ブナゾシン塩酸塩、エプレレノン、カルベジロール、アゼルニジピン[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
      2. エナラプリルマレイン酸塩[これらの薬剤の作用が減弱することがある(機序は不明である)]。
    12. 血管収縮剤:エレトリプタン臭化水素酸塩[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    13. 血管拡張剤:カルシウム拮抗薬(ベラパミル塩酸塩、ニフェジピン等)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    14. 高脂血症用剤
      1. クロフィブラート、フルバスタチンナトリウム、高脂血症用剤(CYP3A4で代謝される薬剤)(シンバスタチン等)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
      2. ピタバスタチンカルシウム[外国人健康成人を対象に行った併用試験において、ピタバスタチンのCmax及びAUCが上昇したとの報告がある(有機アニオントランスポーターを介したピタバスタチンの肝臓への取り込みを阻害すると考えられる)]。
    15. 循環器官用薬:ボセンタン水和物、トレプロスチニル[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    16. 気管支拡張剤:テオフィリン[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    17. 消化器官用薬:5-HT3受容体拮抗型制吐薬(オンダンセトロン塩酸塩水和物)、NK1受容体拮抗型制吐薬(ホスアプレピタントメグルミン)、セビメリン塩酸塩水和物[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、これらの薬剤又は活性代謝物の血中濃度を低下させると考えられている)]。
    18. 副腎皮質ホルモン剤[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    19. 卵胞ホルモン・黄体ホルモン剤[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    20. 泌尿生殖器官用薬

      1. ホスホジエステラーゼ5阻害剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル(シアリス・ザルティア))[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
      2. 過活動膀胱治療薬

        ①.過活動膀胱治療薬(コハク酸ソリフェナシン等)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

        ②.過活動膀胱治療薬(ミラベグロン)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)及びP糖蛋白誘導作用によるものと考えられている)]。

    21. 外皮用薬:ジアフェニルスルホン[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、ジアフェニルスルホンの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

    22. 血液凝固阻止剤

      1. クマリン系抗凝固薬[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
      2. リバーロキサバン、アピキサバン[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)及びP糖蛋白誘導作用によるものと考えられている)]。
      3. ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩[ダビガトランの血中濃度が低下することがある(本剤のP糖蛋白誘導作用によるものと考えられている)]。
    23. 解毒剤:デフェラシロクス[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤のUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)誘導作用によるものと考えられている)]。

    24. 糖尿病用剤

      1. カナグリフロジン水和物[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤のUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)1A9及び2B4誘導作用によるものと考えられている)]。
      2. その他CYP3A4等で代謝される経口糖尿病薬[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
    25. 代謝性医薬品

      1. ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリン、タクロリムス水和物、トファシチニブクエン酸塩、エリグルスタット酒石酸塩[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
      2. レフルノミド[外国人健康成人を対象に行った併用試験において、レフルノミドの活性代謝物のCmaxが上昇したとの報告がある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、レフルノミドから活性代謝物への代謝を促進すると考えられている)]。
    26. 抗悪性腫瘍製剤:抗悪性腫瘍製剤(CYP3A4等で代謝される薬剤)(イリノテカン塩酸塩水和物、タモキシフェンクエン酸塩、トレミフェンクエン酸塩、イマチニブメシル酸塩、ゲフィチニブ、ラパチニブトシル酸塩水和物、レトロゾール、エンザルタミド等)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、これらの薬剤又は活性代謝物の血中濃度を低下させると考えられている)]。

    27. 抗生物質製剤:クラリスロマイシン、クロラムフェニコール、ドキシサイクリン塩酸塩水和物[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

    28. 抗真菌剤:カスポファンギン酢酸塩[カスポファンギン酢酸塩との併用により、本剤単回投与ではカスポファンギンのAUCが上昇(有機アニオントランスポーター(OATP1B1)を介した輸送過程が影響すると考えられている)し、本剤の代謝誘導作用が定常状態下ではカスポファンギンのトラフ濃度が低下したとの報告がある(有機アニオントランスポーター(OATP1B1)を介した輸送過程が影響すると考えられている)]。

    29. 抗結核薬

      1. 抗結核薬(イソニアジド等)[重篤な肝障害が現れることがあるので、定期的に肝機能検査を行う(本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、イソニアジドの代謝を促進し、肝毒性を有する代謝物の産生を増加させると考えられている)]。
      2. エタンブトール塩酸塩[エタンブトール塩酸塩の視力障害を増強する恐れがあるので、視力障害について観察を十分に行う(機序は不明である)]。
    30. 合成抗菌剤:リネゾリド[外国人健康成人を対象に行った併用試験において、リネゾリドのCmax及びAUCが低下したとの報告がある(機序は不明である)]。

    31. 抗ウイルス剤

      1. HIV感染症治療薬(HIVプロテアーゼ阻害剤(IDV・SQV・NFV・FPV・ATVは禁忌)(リトナビル、ロピナビル等)、ネビラピン、マラビロク、エファビレンツ)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
      2. HIV感染症治療薬(ジドブジン)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤のUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)誘導作用によるものと考えられている)]。
      3. HIV感染症治療薬(ラルテグラビルカリウム)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤のUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)1A1誘導作用によるものと考えられている)]。
      4. HIV感染症治療薬(ドルテグラビルナトリウム)[ドルテグラビルの血漿中濃度が低下したとの報告がある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)及びUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)1A1誘導作用によるものと考えられている)]。
    32. 化学療法剤

      1. テルビナフィン塩酸塩、アゾール系抗真菌薬(ボリコナゾールは禁忌)(フルコナゾール等)[これらの薬剤の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、これらの薬剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。
      2. アトバコン[アトバコンとの併用により、アトバコンの血中濃度が約53%低下しt1/2は約33時間短縮したとの報告がある(機序は不明である)]。
    33. 天然麻薬:オキシコドン塩酸塩水和物[オキシコドン塩酸塩水和物の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、オキシコドン塩酸塩水和物の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

    34. 合成麻薬:メサドン塩酸塩[メサドン塩酸塩の作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、メサドン塩酸塩の代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている)]。

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないことが望ましい[動物実験(ラット、マウス)で催奇形作用が報告されている]。

  2. 授乳中の婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[ヒト母乳中へ移行することが報告されている]。

(臨床検査結果に及ぼす影響)

  1. BSP排泄遅延又はICG排泄遅延がみられることがある。

  2. 微生物学的検査法による血清中葉酸値、ビタミンB12値が異常を示すことがある。

(過量投与)

  1. 過量投与時の徴候・症状:皮膚の橙赤色化・唾液の橙赤色化・涙液の橙赤色化・汗の橙赤色化・顔面の橙赤色化(red man syndrome)、嘔気・嘔吐、腹痛、肝肥大、黄疸、AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)等、頭痛、顔面浮腫又は眼窩周囲浮腫、急性肺水腫、嗜眠、意識障害、痙攣、低血圧、洞頻脈、心室性不整脈、心停止。

  2. 過量投与時の処置:胃洗浄、活性炭の投与、強制利尿、血液透析等、必要に応じて適切な処置を行う。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

ポルフィリン症の患者に投与した場合、海外において、症状を誘発又は悪化させたとの報告がある。

(取扱い上の注意)

安定性試験:処方変更時に最終包装製品を用いた相対比較試験(40℃、相対湿度75%、3カ月)を行った結果、3年間安定であることが確認されている旧製剤と同等であり、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

(保管上の注意)

防湿。