処方薬
ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)

ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)の添付文書

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効果・効能

腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧の随伴症状(高血圧の動悸、高血圧の肩こり、高血圧ののぼせ)、肥満症、むくみ、便秘。

用法・用量

1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度は不明である。

  1. 重大な副作用

    1. 間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音異常(捻髪音)等が現れた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等が現れた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう患者に対し注意を行う。
    2. 偽アルドステロン症:低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム貯留・体液貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症が現れることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行う。
    3. ミオパシー:低カリウム血症の結果としてミオパシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・四肢麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行う。
    4. 肝機能障害、黄疸:著しいAST上昇(著しいGOT上昇)、著しいALT上昇(著しいGPT上昇)、著しいAl-P上昇、著しいγ-GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    5. 腸間膜静脈硬化症:長期投与により、腸間膜静脈硬化症が現れることがある。繰り返し腹痛、繰り返し下痢、繰り返し便秘、繰り返し腹部膨満等が現れた場合、又は便潜血陽性になった場合には投与を中止し、CT、大腸内視鏡等の検査を実施するとともに、適切な処置を行う(なお、腸管切除術に至った症例も報告されている)。
  2. その他の副作用(頻度不明)

    1. 過敏症:発疹、そう痒等[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。
    2. 自律神経系:不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等。
    3. 消化器:食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢等。
    4. 泌尿器:排尿障害等。

使用上の注意

(慎重投与)

  1. 下痢、軟便のある患者[これらの症状が悪化する恐れがある]。

  2. 胃腸虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢等が現れることがある]。

  3. 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者[これらの症状が悪化する恐れがある]。

  4. 病後の衰弱期、著しく体力の衰えている患者[副作用が現れやすくなり、その症状が増強される恐れがある]。

  5. 発汗傾向の著しい患者[発汗過多、全身脱力感等が現れる恐れがある]。

  6. 狭心症、心筋梗塞等の循環器系障害のある患者、又はその既往歴のある患者[これらの疾患及び症状が悪化する恐れがある]。

  7. 重症高血圧症の患者[これらの疾患及び症状が悪化する恐れがある]。

  8. 高度腎障害のある患者[これらの疾患及び症状が悪化する恐れがある]。

  9. 排尿障害のある患者[これらの疾患及び症状が悪化する恐れがある]。

  10. 甲状腺機能亢進症の患者[これらの疾患及び症状が悪化する恐れがある]。

(重要な基本的注意)

  1. 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与する。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避ける。

  2. 本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意し、異常が認められた場合には投与を中止する。

  3. サンシシ含有製剤の長期投与(多くは5年以上)により、大腸の色調異常、大腸浮腫、大腸糜爛、大腸潰瘍、大腸狭窄を伴う腸間膜静脈硬化症が現れる恐れがあるので、長期投与する場合にあっては、定期的にCT、大腸内視鏡等の検査を行うことが望ましい。

  4. 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意し、ダイオウを含む製剤との併用には、特に注意する。

  5. ダイオウの瀉下作用には個人差が認められるので、用法及び用量に注意する。

(相互作用)

併用注意:

  1. マオウ含有製剤、エフェドリン類含有製剤、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤、甲状腺製剤(チロキシン、リオチロニン)、カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン)、キサンチン系製剤(テオフィリン、ジプロフィリン)[不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等が現れやすくなるので、減量するなど慎重に投与する(交感神経刺激作用が増強されることが考えられる)]。

  2. カンゾウ含有製剤、グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤[偽アルドステロン症が現れやすくなり、また、低カリウム血症の結果として、ミオパシーが現れやすくなる(グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる)]。

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい[本剤に含まれるダイオウ(子宮収縮作用及び骨盤内臓器の充血作用)、無水ボウショウ(子宮収縮作用)により流早産の危険性がある]。

  2. 授乳中の婦人には慎重に投与する[本剤に含まれるダイオウ中のアントラキノン誘導体が母乳中に移行し、乳児の下痢を起こすことがある]。

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していない[使用経験が少ない]。

(その他の注意)

本剤には無水ボウショウが含まれているので、治療上食塩制限が必要な患者に継続投与する場合は注意する。

(保管上の注意)

遮光・気密容器。