処方薬
カドサイラ点滴静注用100mg
先発

カドサイラ点滴静注用100mgの基本情報

カドサイラ点滴静注用100mgの概要

商品名 カドサイラ点滴静注用100mg
一般名 トラスツズマブエムタンシン(遺伝子組換え)注射用
薬価・規格 235820.0円 (100mg1瓶)
薬の形状
注射薬 > 散剤 > 注射用
注射薬 > 散剤 > 注射用のアイコン
製造会社 中外製薬
ブランド カドサイラ点滴静注用100mg 他
YJコード 4291426D1026
レセプト電算コード 622264401
添付文書PDFファイル

カドサイラ点滴静注用100mgの主な効果と作用

  • 腫瘍を治療するお薬です。
  • あなたの病気や症状に合わせて処方されたお薬です。
  • 腫瘍細胞の傷害を促すとともに、腫瘍細胞の細胞分裂を停止させ、増殖をおさえる働きがあります。

カドサイラ点滴静注用100mgの用途

  • HER2陽性の手術不能又は再発乳癌
  • HER2陽性の乳癌における術後薬物療法

カドサイラ点滴静注用100mgの副作用

※ 副作用とは、医薬品を指示どおりに使用したにもかかわらず、患者に生じた好ましくない症状のことを指します。 人により副作用の発生傾向は異なります。記載されている副作用が必ず発生するものではありません。 また、全ての副作用が明らかになっているわけではありません。

主な副作用

頭痛、味覚異常、悪心、嘔吐、便秘、口内乾燥、下痢、口内炎、腹痛、鼻出血、発疹

起こる可能性のある重大な副作用

呼吸困難、Infusion reaction、低血圧、喘鳴、気管支痙攣、頻脈、紅潮、悪寒、発熱、肝機能障害、AST増加、ALT増加、血中ビリルビン増加、血小板減少症、末梢神経障害、しびれ、間質性肺疾患、咳嗽、疲労、肺浸潤、急性呼吸窮迫症候群、肺臓炎、間質性肺炎、放射線肺臓炎、心障害、左室駆出率低下、LVEF低下、うっ血性心不全、重度心障害、アナフィラキシー、重度過敏症、頭蓋内出血、重度出血、重度Infusion reaction、肝不全、肝機能検査値異常、重度肝機能障害、結節性再生性過形成

上記以外の副作用

爪異常、関節痛、筋骨格痛、食欲減退、血中ALP増加、貧血、好中球数減少、白血球数減少、倦怠感、疼痛、背部痛、四肢痛、無力症、肺炎、錯感覚、めまい、不眠症、嗜眠、うつ病、感覚鈍麻、傾眠、神経毒性、嗅覚錯誤、平衡障害、片頭痛、消化不良、歯肉出血、腹部膨満、腹部不快感、歯周病、胃食道逆流性疾患、消化管出血、胃炎、口腔内出血、鼓腸、痔核、消化器痛、口腔内痛、口唇乾燥、高血圧、動悸、ほてり、鼻漏、口腔咽頭痛、鼻閉、鼻乾燥、皮膚そう痒症、皮膚乾燥、皮膚炎、脱毛症、皮下出血、紅斑、紫斑、湿疹、手掌・足底発赤知覚不全症候群、多汗症、蕁麻疹、筋痙縮、筋力低下、筋骨格硬直、回転性めまい、耳鳴、流涙増加、視力障害、霧視、視力低下、眼乾燥、結膜炎、眼充血、眼そう痒症、眼痛、結膜出血、眼刺激、血中カリウム減少、脱水、血中アルブミン減少、高血糖、血中クレアチニン増加、血中尿酸増加、腟出血、リンパ球数減少、インフルエンザ、インフルエンザ様疾患、浮腫、全身性浮腫、末梢性浮腫、体重減少、鼻咽頭炎、粘膜炎症、尿路感染、上気道感染、胸痛、鼻炎、挫傷、注射部位反応、血腫、カンジダ症、熱感、粘膜乾燥、胸部不快感、口渇、胃腸炎、体重増加

カドサイラ点滴静注用100mgの用法・用量

  • 通常、成人にはトラスツズマブ エムタンシン(遺伝子組換え)として1回3.6mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静注する
  • ただし、術後薬物療法の場合には、投与回数は14回までとする
  • (用法及び用量に関連する注意)7.1. 〈効能共通〉他の抗悪性腫瘍剤との併用療法について、有効性及び安全性は確立していない
  • 7.2. 〈効能共通〉初回投与時は90分かけて投与すること(初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる)
  • 7.3. 〈効能共通〉副作用により、本剤を休薬、減量又は中止する場合には、副作用の症状、重症度等に応じて次の基準を考慮すること
  • 減量後に再度増量はしないこと
  • [減量の目安]1). 〈効能共通〉通常投与量:3.6mg/kg
  • 2). 〈効能共通〉1段階減量:3.0mg/kg
  • 3). 〈効能共通〉2段階減量:2.4mg/kg
  • 4). 〈効能共通〉3段階減量:投与中止
  • 7.3.1. 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉左室駆出率(LVEF)低下による休薬及び中止基準1). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉40%≦LVEF≦45%・ベースラインからの絶対値の変化<10%:継続:3週間以内に再測定を行い、LVEFを確認すること
  • 2). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉40%≦LVEF≦45%・ベースラインからの絶対値の変化≧10%:休薬:3週間以内に再測定を行い、LVEFのベースラインからの絶対値の変化<10%に回復しない場合は中止すること
  • 3). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉LVEF<40%:休薬:3週間以内に再測定を行い、再度LVEF<40%が認められた場合は中止すること
  • 4). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉症候性うっ血性心不全:中止
  • 7.3.2. 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉AST、ALT増加による休薬、減量及び中止基準1). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉AST Grade2(>3~5×ULN)、ALT Grade2(>3~5×ULN):減量せず継続
  • HER2陽性の手術不能又は再発乳癌でAST>3×ULNかつ総ビリルビン>2×ULN又はALT>3×ULNかつ総ビリルビン>2×ULNの場合は中止すること
  • 2). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉AST Grade3(>5~20×ULN)、ALT Grade3(>5~20×ULN):休薬:Grade2以下に回復後、1段階減量して再開可能
  • HER2陽性の手術不能又は再発乳癌でAST>3×ULNかつ総ビリルビン>2×ULN又はALT>3×ULNかつ総ビリルビン>2×ULNの場合は中止すること
  • 3). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉AST Grade4(>20×ULN)、ALT Grade4(>20×ULN):中止
  • 7.3.3. 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉高ビリルビン血症による休薬、減量及び中止基準1). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉高ビリルビン血症 Grade2(>1.5~3×ULN):休薬:Grade1以下に回復後、減量せず再開可能
  • HER2陽性の手術不能又は再発乳癌でAST>3×ULNかつ総ビリルビン>2×ULN又はALT>3×ULNかつ総ビリルビン>2×ULNの場合は中止すること
  • 2). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉高ビリルビン血症 Grade3(>3~10×ULN):休薬:Grade1以下に回復後、1段階減量して再開可能
  • HER2陽性の手術不能又は再発乳癌でAST>3×ULNかつ総ビリルビン>2×ULN又はALT>3×ULNかつ総ビリルビン>2×ULNの場合は中止すること
  • 3). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉高ビリルビン血症 Grade4(>10×ULN):中止
  • 7.3.4. 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉血小板減少症による休薬及び減量基準1). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉血小板減少症 Grade3(<50000~25000/mm3):休薬:Grade1以下(75000/mm3以上)に回復後、減量せず再開可能
  • 2). 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉血小板減少症 Grade4(<25000/mm3):休薬:Grade1以下(75000/mm3以上)に回復後、1段階減量して再開可能
  • 7.3.5. 〈HER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉末梢神経障害による休薬基準:末梢神経障害 Grade3又は末梢神経障害 Grade4:休薬:Grade2以下に回復後、減量せず再開可能
  • 7.3.6. 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉左室駆出率(LVEF)低下による休薬及び中止基準1). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉LVEF≧50%:継続
  • 2). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉45%≦LVEF<50%・ベースラインからの絶対値の変化<10%:継続:3週間以内に再測定を行い、LVEFを確認すること
  • 3). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉45%≦LVEF<50%・ベースラインからの絶対値の変化≧10%:休薬:3週間以内に再測定を行い、LVEF<50%が認められ、かつLVEFのベースラインからの絶対値の変化<10%に回復しない場合は中止すること
  • 4). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉LVEF<45%:休薬:3週間以内に再測定を行い、再度LVEF<45%が認められた場合は中止すること
  • 5). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉①症候性うっ血性心不全、②Grade3の左室収縮機能不全(Grade3のLVSD)又はGrade4の左室収縮機能不全(Grade4のLVSD)、③Grade3の心不全もしくはGrade4の心不全、又はLVEF<45%を伴うGrade2の心不全:中止
  • 7.3.7. 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉ALT増加による休薬、減量及び中止基準1). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉ALT Grade2又はALT Grade3(>3~20×ULN):休薬:Grade1以下に回復後、1段階減量して再開可能
  • 2). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉ALT Grade4(>20×ULN):中止
  • 7.3.8. 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉AST増加による休薬、減量及び中止基準1). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉AST Grade2(>3~5×ULN):休薬:Grade1以下に回復後、減量せず再開可能
  • 2). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉AST Grade3(>5~20×ULN):休薬:Grade1以下に回復後、1段階減量して再開可能
  • 3). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉AST Grade4(>20×ULN):中止
  • 7.3.9. 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉高ビリルビン血症による休薬、減量及び中止基準1). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉総ビリルビン>1.0~2.0×ULN:休薬:総ビリルビン≦1.0×ULNに回復後、1段階減量して再開可能
  • 2). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉総ビリルビン>2.0×ULN:中止
  • 7.3.10. 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉結節性再生性過形成(NRH)による中止基準:全てのGrade:中止
  • 7.3.11. 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉血小板減少症による休薬及び減量基準1). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉血小板減少症 Grade2又は血小板減少症 Grade3(<75000~25000/mm3):休薬:Grade1以下(75000/mm3以上)に回復後、減量せず再開可能(血小板減少症による2回目休薬後の再開においては1段階減量しての再開を考慮すること)
  • 2). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉血小板減少症 Grade4(<25000/mm3):休薬:Grade1以下(75000/mm3以上)に回復後、1段階減量して再開可能
  • 7.3.12. 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉末梢神経障害による休薬基準:末梢神経障害 Grade3又は末梢神経障害 Grade4:休薬:Grade2以下に回復後、減量せず再開可能
  • 7.3.13. 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉間質性肺疾患による中止基準:間質性肺疾患又は肺臓炎と診断された場合:中止
  • 7.3.14. 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉放射線療法に関連する肺臓炎による中止基準1). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉放射線療法関連肺臓炎 Grade2:標準治療にて回復しない場合は中止すること
  • 2). 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉放射線療法関連肺臓炎 Grade3又は放射線療法関連肺臓炎 Grade4:中止
  • GradeはNCI CTCAE(ver.4.0)に準じる
  • ULN:正常値上限
※ 実際に薬を使用する際は、医師から指示された服用方法や使用方法・回数などを優先して下さい。

カドサイラ点滴静注用100mgの使用上の注意

病気や症状に応じた注意喚起

  • 以下の病気・症状がみられる方は、添付文書の「使用上の注意」等を確認してください
    • 過敏症
    • 重篤なInfusion reaction
    • 肝機能障害
    • 冠動脈疾患
    • 狭心症
    • 高血圧症
    • 心機能低下
    • 心筋梗塞
    • 血小板数減少
    • 左室駆出率<LVEF>が低下
    • アントラサイクリン系薬剤投与歴
    • 胸部への放射線治療歴
    • 安静時呼吸困難
    • 胸部への放射線治療中
    • 治療を要する重篤な不整脈
    • 症候性肺疾患
    • うっ血性心不全

患者の属性に応じた注意喚起

年齢や性別に応じた注意喚起

カドサイラ点滴静注用100mgの注意が必要な飲み合わせ

※ 薬は飲み合わせによって身体に悪い影響を及ぼすことがあります。 飲み合わせに関して気になることがあれば、担当の医師や薬剤師に相談してみましょう。

薬剤名 影響
血液凝固阻止剤 出血

カドサイラ点滴静注用100mgと主成分が同じ薬

主成分が同じ薬をすべて見る

カドサイラ点滴静注用100mgに関係する解説

分子標的薬(トラスツズマブ エムタンシン〔抗HER2抗体チューブリン重合阻害薬複合体〕)

  • カドサイラ点滴静注用100mgは、分子標的薬(トラスツズマブ エムタンシン〔抗HER2抗体チューブリン重合阻害薬複合体〕)に分類される。
  • 分子標的薬(トラスツズマブ エムタンシン〔抗HER2抗体チューブリン重合阻害薬複合体〕)とは、がん細胞の増殖に必要なHER2という物質に結合し、抗体依存性細胞障害作用(ADCC)及び細胞増殖のシグナル伝達抑制作用、細胞分裂の周期停止及び細胞の自滅(アポトーシス)を誘導する作用などにより抗腫瘍効果をあらわす薬。

分子標的薬(トラスツズマブ エムタンシン〔抗HER2抗体チューブリン重合阻害薬複合体〕)の代表的な商品名

  • カドサイラ
分子標的薬(トラスツズマブ エムタンシン〔抗HER2抗体チューブリン重合阻害薬複合体〕)についての詳しい解説を見る